JR新幹線複数の格安切符を利用する方法とデメリット

東京駅新幹線乗り場格安切符
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早割などの格安切符は、新幹線や特急において、乗車日当日ではなく、数日前、前日や7日前・14日前・21日前に購入することで、通常運賃に比べて安い運賃で移動できます。旅行や出張の旅費を減らすという点においては、とても良い切符なのですが、新幹線や特急は、利用する全区間で1つの格安切符が利用できるわけではないため、区間によっては2つ以上の格安切符を購入することがあります。JRの場合、通常切符であれば、乗車券、特急券を乗車する駅で購入すれば、次の乗り換えでは、別に切符を購入する必要はなく、降車する駅まで移動できます。しかし、早割などの格安の割引切符の場合、区間によっては、乗換駅を境に別々の切符を購入しておく必要があるということです。具体的には、別のJR会社をまたぐ場合、JR⇔私鉄、もしくは鉄道⇔高速バスで乗り換える場合なども該当しますね。このような場合、乗り遅れ等のトラブルが起きるとややこしくなります。ここでは実際のケースを参考に、問題点などを考えていきます。

直通していない別の鉄道路線に乗り換えて移動するケース

ここでは、具体例を上げながら見ていきます。

  • 例:名古屋仙台間を新幹線で移動する
山陽新幹線ひかり・こだま号
東北・北海道新幹線
名古屋駅⇔東海道新幹線⇔東京駅
⇔東北新幹線⇔仙台駅
通常運賃(自由席)
19,680円
割引切符
ぷらっとこだま:8,210円
トクだ値14 7,610円
合計:15,820円

具体的にどのようなケースがあるのかと言えば、上記のようなケースです。

名古屋仙台間を新幹線で移動する場合、名古屋東京間はJR東海の東海道新幹線、東京仙台間はJR東日本の東北新幹線ですが、この2つの路線は直通運転をしておらず、必ず東京駅で乗り換えが必要になります。通常運賃の切符は通して購入できますが、早割や旅行会社の格安切符は、東京駅で区切られているため、名古屋東京間、東京仙台間で、別の切符を購入する必要があります。

この場合、東海道新幹線はぷらっとこだま、東北新幹線はトクだ値14を別々に購入します。どちらも割引率が高いので、通常運賃に比べて3,860円安くなるのでお得ですが、このようなケースの場合、注意しておくことがあります。

何が問題?乗り換えで切符が無効になるリスク

注意すべきなのは、乗り換えで乗り遅れが生じたときです。通常の切符の場合、指定席で指定の列車に予約して乗り遅れた場合、特例として、当日に限り、後続の自由席の列車に乗車することが可能です。自由席がない場合は立席での乗車が可能です。一方、早割や割引切符は、特定の列車に指定されたら、乗り遅れなどいかなる理由があっても、その後続の列車に乗車できないのが普通です。後続の列車に乗る場合は、その割引切符は無効になるため、別途、乗換駅からの切符を購入する必要があるのです。具体的には、JRの切符の場合、特急券部分のみが無効になるため、新たに特急券を買いなおす必要があります。

これが何を意味するかと言えば、つまり上記の例では、名古屋東京間で遅れが生じ、次の東京仙台間の指定された列車に乗車できなかった場合、東京仙台間のトクだ値切符は無効になり、新たに東北新幹線の特急券、自由席の場合は4,510円を購入する必要があるということです。なお、再購入の際、割引は適用されません。

払い戻し、変更などはそのJRの規定に沿って行えますが、最悪、東京駅に遅れて到着し、すでに列車が出発してまっている場合は、特急券の部分についてはいずれもできません。乗車券の部分については有効なので、払い戻しと変更は可能です。ただし、払い戻しは、乗車券部分のみ、手数料を差し引いた額が返金されるので、全額が返金されるわけではありません。

なお、ぷらっとこだまのような旅行商品の場合は、乗車券部分も無効になり、新たに乗車券・特急券を含む切符を購入する必要があります。この場合、逆ルートで遅れが生じた場合は、東京駅で名古屋駅までの切符自由席10,560円を買いなおす必要があります。

なお、特例として、災害などで大幅な遅れ、運休が起きた場合は、手数料なしで払い戻しが可能なケースもあります。

特急券の買い直しはかえって割高になる

この例の場合、乗り遅れて東京仙台間の特急券を別に購入した場合、全部で20,330円かかることになり、割引で安くなるどころか、通常運賃よりもかえって高くなってしまいます。また、払い戻しや切符の買いなおしなどの手間も増えます。つまり、複数の割引切符を利用する場合、このようなリスクがあるり、とても面倒なことになるということです。これは鉄道⇔高速バス、鉄道⇔私鉄、鉄道⇔飛行機などでも同様のことが言えます。

乗り遅れのリスクを減らす、回避する方法はあるのか?

  • 早割切符を複数買わない

そもそも、このようリスクを避けたいのであれば、普通の切符を購入して移動することです。早割などの割引切符は安い分、融通が利かないため、何か問題が起きた時の対処が大変です。

  • 対処できるようにしておく

もしくは、最悪のケースを想定して、遅れが発生しても対処できるようにしておくことです。買いなおしで払わなければならない金額分を確保しておくのは当然ですが、早割で乗り遅れた場合はどうするのか?事前に調べておくことなどが必要ですね。

  • 変更ができるのであれば、列車が出発する前に変更しておく

あらかじめ遅れることがわかっていて、変更が可能であれば、乗り換える列車が出発するまでに、別の列車に変更しておいた方が良いでしょう。基本的に出発の数分前であれば変更ができます。ネット予約で購入した場合は、ネットで変更ができるので、ノートパソコン、またはスマートホンなどで移動中に変更ができます。紙切符の場合は、窓口まで行く必要があります。

ただし、割引切符の中には変更ができず、一度手数料を払い、払い戻しで再度予約する場合もあります。また、変更の場合、早割の割引は適用されず、料金は割高になります。上記の例では、東京仙台間の7,610円を変更した場合、直前であれば通常料金の10,560円で再度購入します。ぷらっとこだまで名古屋東京まで移動できたのであれば、合計で18,770円、トクだ値を使うよりも高くなりますが、通常運賃よりは安く済みます。

なお、逆ルートでぷらっとこだまで変更が必要な場合、変更自体はできないので、発車時刻までに払い戻しを行い、新たに切符(自由席10,560円)を購入する必要があります。なお、変更の可否などは、切符の種類、それぞれの鉄道・バス会社などよって違うので注意が必要です。

  • 乗り換え駅では余裕をもたせておく

時間に制約がないのであれば、万が一遅れても問題ないように、最低1~2時間程度は乗り換え時間を確保しておくと良いでしょう。多少の遅れであれば対応できます。具体的には、上記の例では、東京駅で東海道新幹線⇔東北新幹線の乗り換えに1~2時間程度の余裕を持たせておく、11時に到着したら13時に次の列車に乗車するような予定にしておくことです。

なお、東海道・山陽・九州と東北・北海道新幹線は、直通運行している路線の場合、合わせて利用できる割引切符も販売されており、このようなリスクは少ないです。一方、東海道と山陽で別々に販売しているもの、例えばぷらっとこだまと、行こっかこだまを2つ利用する場合は起こり得ます。また、同じJRでも、東北新幹線、北陸・上越新幹線を乗り継ぐ、具体的には大宮駅で乗り換える場合は、それぞれ別のトクだ値切符を購入する必要があり、上記のようなリスクがあります。具体的には以下になります。

長野新幹線あさま
東北・北海道新幹線
長野駅⇔北陸新幹線⇔大宮駅
⇔東北新幹線⇔福島駅
通常運賃(自由席)
13,320円
割引切符
トクだ値14(北陸) 4,450円
トクだ値14(東北) 5,850円
合計:10,300円

この場合、方向が違い、それぞれの区間が個別に販売されているため、複数のトクだ値を購入する必要があります。なお、上記の場合、一度改札を出て再度乗りなおす必要もあります。