JR東海道新幹線を格安で移動できるぷらっとこだまを解説。メリット・デメリット。

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ぷらっとこだまとは

ぷらっとこだまとは、JR東海道新幹線において格安で利用できるこだま号限定の切符、正確にはJR東海ツアーズのツアーパッケージです。厳密には切符ではありませんが、ここでは便宜上切符と呼びます。こだま号の指定席に通常運賃よりも安い価格で乗車できるもので、割引率が高く、東海道新幹線を安く利用するのであれば、ぜひ利用すべき格安切符です。では、具体的にどの程度安くなるのか?実例をあげて下記に紹介します。

東海道新幹線のぞみ号・ひかり・こだま号東京駅⇔東海道新幹線⇔新大阪駅
*ぷらっとこだまを利用した場合
自由席 13,870円
指定席 11,100円
グリーン車 19,070円
グリーン車 12,360円
東海道新幹線のぞみ号・ひかり・こだま号東京駅⇔東海道新幹線⇔名古屋駅
*ぷらっとこだまを利用した場合
自由席 10,560円
指定席 8,710円
グリーン車 14,550円
グリーン車 9,610円
東海道新幹線のぞみ号・ひかり・こだま号東京駅⇔東海道新幹線⇔静岡駅
*ぷらっとこだまを利用した場合
自由席 5,940円
指定席 5,230円
グリーン車 8,540円
グリーン車 6,410円
東海道新幹線のぞみ号・ひかり・こだま号名古屋駅⇔東海道新幹線⇔新大阪駅
*ぷらっとこだまを利用した場合
自由席 5,940円
指定席 5,000円
グリーン車 8,540円
グリーン車 6,570円

東京新大阪間、東京静岡間の2つの例を掘り下げてみていきます。

東京新大阪間

以下に表示する料金はすべて片道の料金です。この区間の自由席は13,870円ですが、ぷらっとこだまを利用すると11,100円です。通常料金と比べると、約20%引きの料金で利用できます。また、ぷらっとこだまはグリーン車料金も設定されており、こちらは19,070円が12,360円、自由席より安い料金で利用できます。割引率は約36%です。

東京名古屋間

東京名古屋間は10,560円が普通料金ですが、ぷらっとこだまで8,710円、18%の割引率で利用できます。グリーン車は34%もの割引率になり、14,550円が9,610円と通常の自由席よりも安い料金になります。

東京静岡間

東京静岡間は5,940円に対し、ぷらっとこだまは5,230円の約12%割引。グリーン車の場合は8,540円に対し6,410円と約25%割引です。

名古屋大阪間

この区間は通常運賃は東京静岡間と同じです。一方、ぷらっとこだまは5,000円と、東京静岡間より安く16%の割引率で利用できます。グリーン車も同様で、8,540円が6,570円になり24%の割引率です。

割引率はいずれの停車駅間も一定ではありません。しかし、グリーン車ほど割引率が高く、また距離が長いほど割引率が高いのがぷらっとこだまの特徴です。

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ぷらっとこだまの特徴(メリット・デメリット)

運賃の安さ以外のメリットとデメリットを見ていきます。

  • 無料ドリンク引き換え券が付いてくる
  • 乗車日の1カ月前から前日の22時まで予約が可能

格安切符は通常数日から数カ月前に予約が必要なのですが、ぷらっとこだまは前日まで予約が可能です。切符は予約後にJR東海の新幹線駅の発券機「JR東海の指定席券売機」および、「JR東海ツアーズ店舗(きっぷうりば)」で受け取りができます。前者は乗車日の7日前から、後者は1カ月前から受け取りができます。これは乗車時間までに受け取ればよいので、前日に予約して当日に受け取ることが可能です。

また、ExサービスからICカードに紐づけて利用することができ、ICカードタッチとQRチケットでチケットレスにも対応しています。

  • 指定席を予約時に予約する。自由席は利用できない

予約時に人数と希望の席を指定して、席を確保します。これは指定席になるので、自由席は利用できません。また、具体的にどの車両のどの座席に座るのかは指定できず、窓側、通路側といった形で希望する座席を選択します。

  • グリーン車を安い運賃で利用できる

ぷらっとこだまの別のメリットは、グリーン車を自由席の通常料金に近い、もしくはそれより安い料金で利用できることです。例えば東京新大阪間の自由席料金は13,800円ですが、ぷらっとこだまのグリーン車料金にすると12,300円で利用できます。

  • 指定された時刻の新幹線のみ利用可能。乗り遅れによる他の便への乗車、および予約変更はできない

通常の場合であれば、乗車する予定の便に間に合わなければ次の便を利用できますが、例えば9:00の便を指定した場合、必ずその便を利用する必要があります。そのため、遅れないために早めに駅に到着する必要があります。また、いかなる理由であっても予約の変更はできません。

  • 途中下車は不可能
  • ひかり号・のぞみ号は利用できない。移動時間が長くなる

速達型のひかり・のぞみは利用できません。これはつまり、こだま号は各駅に停車するため、ぷらっとこだまを利用すると、ひかり・のぞみ号よりも移動時間がかかることになります。例えば東京大阪間、東京名古屋間を例にあげると以下になります。

東海道新幹線のぞみ号・ひかり・こだま号東京駅⇔東海道新幹線こだま号⇔新大阪駅のぞみ:2時間24分
こだま:3時間54分
東海道新幹線のぞみ号・ひかり・こだま号東京駅⇔東海道新幹線こだま号⇔名古屋駅のぞみ:1時間35分
こだま:2時間36分

東京名古屋間は約2時間30分、東京大阪間に至っては約4時間です。これでも高速バスや在来線に比べれば速いですが、各駅に停車することに加えて、主要駅以外の小さな駅で、のぞみ・ひかりの通過待ちを行うため、余分に時間がかかるためです。特に東京名古屋間は静岡県内の駅数が多いので、短い距離でその都度駅に停車し、通過待ちを行うのでなかなか進みません。東京名古屋間や、東京大阪間などの長距離は割引率が高いですが、その分、移動時間は余分にかかることがデメリットです。

一方で、大阪名古屋間は駅数が少ない分、こだま号の通過待ちは少ないです。この区間は岐阜羽島・米原の2駅のみで、京都駅は全列車が停車するので通過待ちはありません。

東海道新幹線のぞみ号・ひかり・こだま号名古屋駅⇔東海道新幹線こだま号⇔新大阪駅のぞみ:35分
こだま:47分
東海道新幹線のぞみ号・ひかり・こだま号名古屋駅⇔東海道新幹線こだま号⇔京都駅のぞみ:49分
こだま:58分

ここでは名古屋大阪、名古屋京都間をあげていますが、いずれもこだまとのぞみの差は10~15分程度と大きな差はありません。つまり、名古屋大阪間に関して言えば、こだま号を利用しても移動時間が増えるデメリットは小さいので、ぷらっとこだまで運賃を安くするメリットは大きいと言えます。

  • 山陽新幹線では利用できない。(東京~新大阪間)のみ

ぷらっとこだまはJR東海ツアーズの商品なので、JR西日本のエリアである新大阪以西は利用できません。これは当然のことなのですが、これが大きなデメリットになるのは、山陽と東海道新幹線双方を利用する場合です。例えば、名古屋新神戸間を移動する場合、新大阪まではぷらっとこだまが使えますが、新大阪新神戸間は使えません。この場合、新大阪で降りて新幹線乗車券・特急券を新たに購入して新神戸まで行く必要があります。通常料金が自由席で7,470円、ぷらっとこだまと別に切符を購入すると、合わせて6,330円となり、それでもぷらっとこだまを利用した方が安くなるのですが、新大阪で一度降りて切符を購入、乗り換えする手間が余分かかり、その分の移動時間も余分にかかるのが難点です。新大阪~神戸(三宮)間を在来線にするという手段もあり、その場合は新幹線の料金はかからず、その分さらに安くなりますが、移動時間がかかる上に、混雑していて座れないことが多いのでお勧めできません。

  • 在来線では利用できない(新幹線発着駅間のみ)

起点と終点の間に在来線を挟む場合、在来線区間は利用できません。通常の切符であれば、乗車券に関しては起点から終点まで購入できます。例えば、大阪駅~東京駅間であれば、大阪新大阪間の在来線区間と新幹線区間合わせた乗車券が発行されます。一方でぷらっとこだまの場合、新幹線に乗車する前、もしくは後に在来線に乗り継いで利用する場合、その在来線の区間は別途乗車券を購入する必要があるということです。上記の例では大阪新大阪間の在来線は別に切符170円を購入する必要があるということです。これについてはぷらっとこだまの料金にプラスして乗車券の料金が加算されるわけですが、通常料金と比較してもぷらっとこだまの方が安くなるのは変わりありません。

もっとも、ICカードやQRチケットを利用しているのであれば、切符の購入の手間はなく、改札にタッチするだけで利用できます。

  • 特定区間(主要都市間)のみが利用可能

東海道新幹線のすべての駅で利用できるわけではなく、主要都市間のみ、具体的には新大阪、京都、名古屋、浜松、静岡、新横浜、東京駅間でしか利用ができません。例えば、こだま号がのみしか停車しない掛川駅や、米原駅、岐阜羽島駅といった小規模の駅で乗り降りする場合はぷらっとこだまは利用できないということです。また短距離の区間、東京新横浜間や、新大阪京都間、静岡浜松間も利用できません。

  • ほかの割引とへの併用は不可能

学生割引や往復割引を併用して運賃を割り引くことはできません。これはある意味当然なのですが、理由はそもそも切符ではなく、JR東海ツアーズの商品だからです。

キャンセル料金

11日前までキャンセル料金はかかりません。
8~10日前旅行代金の20%
2~7日前旅行代金の30%
前日旅行代金の40%
当日旅行代金の50%
発車後払い戻しなし。

11日前までは、キャンセル料金がかからないのでキャンセルできます。それ以後は上記の通りキャンセル料金を取られるので注意が必要です。

まとめ

以上をまとめると、ぷらっとこだまはいろいろと制約のある切符で、融通が利かない点は理解する必要があります。しかしながら、前日に購入ができ、かつ、大幅に運賃が安くなる商品なのは変わりありません。また、各種ある割引切符の中でも一番割引率が高く、東海道新幹線を安く利用したいのであれば、ぷらっとこだまを利用すべきでしょう。

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