行こっかこだまとは?山陽新幹線のぷらっとこだま

山陽・九州新幹線
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行こっかこだまとは?

行こっかこだまは、JR東海ツアーズが販売するツアー商品で、山陽新幹線の新大阪博多間を運行するこだま号を格安で利用できる切符です。ぷらっとこだま同様、新幹線をとても安い料金で利用できるもので、山陽新幹線の利用者であれば、利用すべき格安切符です。ここでは具体的にどの程度安く利用できるのか?具体例を上げて見ていきます。

新大阪駅⇔山陽新幹線こだま号⇔博多駅
*行こっかこだまを利用した場合→
自由席 14,750円
指定席 11,370円~11,950円
広島駅⇔山陽新幹線こだま号⇔福山駅
*行こっかこだまを利用した場合→
自由席 4,510円
指定席 4,080円
新尾道駅⇔山陽新幹線こだま号⇔新下関駅
*行こっかこだまを利用した場合→
自由席 8,570円
指定席 7,520円

上記区間の3つを例にあげてみていきます。

新大阪博多間

以下に表示する料金はすべて片道の料金です。この区間の自由席は14,750円ですが、行こっかこだまを利用すると11,370円~11,950円となり2,800円~3,380円安くなり、通常の運賃に比べて約23%割引されます。

広島福山間

短距離で主要な都市間であれば利用できます。広島福山間の場合、自由席運賃に比べて430円安くなり、10%割引されます。ぷらっとこだま同様に、割引率は一定ではありません。

新尾道新下関間

主要駅間以外でも利用できる区間があります。この場合、自由席運賃に比べて1,050円安くなり13%割引されます。長距離になるほど割引率が高くなるのが特徴です。

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行こっかこだまの特徴(メリット・デメリット)

運賃の安さ以外のメリットとデメリットを見ていきます。

  • 駅構内の売店(一部利用できない店もあり)で利用できる300円の買い物利用券がついてくる
  • 乗車日の1カ月前から前日の23:30時まで予約が可能

格安切符は通常数日から数カ月前に予約が必要なのですが、行こっかこだまは、ぷらっとこだま同様、前日まで予約が可能です。紙切符は利用できず、ExサービスからICカードにひもづけて利用するか、QRチケットを購入する必要があります。チケットレスのみに対応しています。

  • 指定席を予約時に予約する 自由席グリーン席は利用できない

予約時に人数と希望の席を指定して、席を確保します。指定席のみ利用可能で、自由席は利用できません。また、具体的にどの車両のどの座席に座るのかは指定できず、窓側、通路側といった形で希望する座席を選択します。なお、行こっかこだまは指定席のみ販売されており、グリーン席の指定はありません。

  • 指定された時刻の新幹線のみ利用可能。乗り遅れによる他の便への乗車、および予約変更はできない

通常の場合であれば、乗車する予定の便に間に合わなければ次の便を利用できますが、例えば9:00の便を指定した場合、必ずその便を利用する必要があります。そのため遅れないために、早めに駅に到着する必要があります。また、いかなる理由であっても予約の変更はできません。

  • 途中下車は不可能
  • ひかり号・のぞみ号・さくら号・みずほ号は利用できない。移動時間が長くなる

速達型のひかり・のぞみと九州新幹線では利用できません。これは各駅の列車のみしか利用できないことを意味します。そのため、速達列車に比べて移動時間が長くなります。移動時間を比較すると以下のようになります。

新大阪駅⇔山陽新幹線こだま号⇔博多駅のぞみ:2時間39分
こだま:4時間14分
広島駅⇔山陽新幹線こだま号⇔福山駅のぞみ:23分
こだま:50分

新大阪博多間はのぞみが約2時間40分ですが、こだまになると4時間を超えます。これでも高速バスや在来線に比べれば速いですが、各駅に停車することに加えて、主要駅以外の小さな駅で、のぞみ・みずほ・ひかり・さくらの通過待ちを行うため、余分に時間がかかるためです。

もっとも、こだま号しか停車しない駅間については、移動時間は関係ないので問題ありません。

  • 全ての駅間で利用できない。(主要駅間がメイン)

山陽新幹線のすべて駅間での利用はできず、利用できない駅間があります。主にのぞみが停車する主要駅間、博多・小倉・広島・福山・岡山・姫路・新神戸・新大阪の駅間、またこだまが停車する駅での利用が可能です。ただし、新大阪姫路、博多小倉のような短距離区間は利用できません。また、のぞみが停車する新山口駅にも設定がありません。一方で、博多・小倉から新下関間や、上記例の新尾道と新下関間では利用できるなど、駅間によって利用できるかは異なります。主に九州⇔中国・近畿、近畿⇔中国のエリアをまたぐ区間には設定されていますが、近距離、同一県内の商品は販売されていません。

  • 東海道新幹線は利用できない。

JR東海の区間、ぷらっとこだまが利用できる東京~新大阪間は利用できません。例えば、岡山⇔京都、ような、別の路線をまたぐ区間では設定されていません。

  • 在来線では利用できない(新幹線発着駅間のみ)

起点と終点の間に在来線を挟む場合、在来線区間は利用できません。通常の切符であれば、乗車券に関しては起点から終点まで購入できます。例えば、大阪駅~博多駅間であれば、大阪新大阪間の在来線区間と新幹線区間合わせた乗車券が発行されます。一方で行こっかこだまの場合、新幹線に乗車する前、もしくは後に在来線に乗り継いで利用する場合、その在来線の区間は別途乗車券を購入する必要があります。上記の例では、大阪新大阪間の在来線は別に切符170円を購入する手間があるということです。これについては、「行こっかこだま」の料金にプラスして乗車券の料金が加算されるわけですが、通常料金と比較しても、「ぷらっとこだま」の方が安くなるのは変わりありません。

なお、ICカードやQRチケットを利用しているのであれば、切符の購入の手間はなく、改札にタッチするだけで利用できます。

  • ほかの割引とへの併用は不可能

学生割引や往復割引を併用して運賃を割り引くことはできません。これはある意味当然なのですが、理由はそもそも切符ではなく、JR東海ツアーズの商品なのが理由です。

キャンセル料金

11日前までキャンセル料金はかかりません。
8~10日前旅行代金の20%
2~7日前旅行代金の30%
前日旅行代金の40%
当日旅行代金の50%
発車後払い戻しなし。

11日前までは、キャンセル料金がかからないのでキャンセルできます。それ以後は上記の通り、キャンセル料金を取られるので注意が必要です。

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バリ得や他のツアー商品との比較

山陽新幹線の格安ツアー商品には、バリ得という似たような商品があります。バリ得も、山陽新幹線のこだま号に格安で乗車できるものですが、どのような違いがあるのか?また、どちらがお得かを比較していきます。

  • ツアー価格
新大阪駅⇔山陽新幹線⇔博多駅行こっかこだま
指定席 11,370円~11,950円
バリ得
11,300円~14,700円
新神戸駅⇔山陽新幹線⇔岡山駅指定席 4,870円4,700円
広島駅⇔山陽新幹線⇔博多駅指定席 6,810円~7,100円~9,200円

料金では大きな差はなく、どちらも通常運賃より安くなります。新大阪博多間は、バリ得の方が70円安くなり、新神戸岡山間は100円安くなります。一方で広島博多間については、「行こっかこだま」の方が安くなります。

  • 往復切符の購入可否

「行こっかこだま」は片道の切符のみなのに対して、バリ得は往復の切符が購入可能です。

  • 購入期限の違い

どちらも前日までに購入できるのですが、行こっかこだまは前日の23:30なのに対して、バリ得は16:00までです。「行こっかこだま」の方が、日が変わるギリギリまで購入期間が長い点があります。

  • 座席の指定・変更

「行こっかこだま」は座席の変更ができないのに対して、バリ得は、1カ月以内ではあれば変更が可能です。この点はバリ得の方が優勢です。ただし、予約自体の変更(区間などの変更)は、どちらもできない点には注意が必要です。

  • グリーン車の利用

「行こっかこだま」は指定席のみですが、バリ得は指定席・グリーン車も利用できます。

  • 九州新幹線での利用

「行こっかこだま」との違いでは、バリ得は九州新幹線の「さくら」「つばめ」も利用できる点があります。特に山陽・九州新幹線両方をまたぐ場合は、停車駅の少ない「さくら」を利用できるのは大きな利点です。関西・中国⇔九州間で割引切符が設定されているのは大きな違いで、この点はバリ得が有利です。

  • 速達列車の利用の有無

「行こっかこだま」は、「こだま」のみ乗車可能なのに対して、バリ得は「ひかり」「つばめ」「さくら」にも乗車可能です。

  • 利用区間の比較

行こっかこだま」は主要駅間、または一部のこだまのみが停車する駅とその駅間で利用可能です。バリ得は、こだまのみの停車駅でも利用できますが、主に主要駅⇔こだま停車駅に限定されます。例えば、上記例であげた新尾道新下関間は利用できません。また、主に関西⇔中国・九州、中国⇔関西・九州区間がメインで、同一県内の利用はできません。例えば、上記例にある広島福山間は利用できません。この点は、「行こっかこだま」の方が利用できる区間が多く、利用しやすいです。

・交通系ICカードの利用

行こっかこだま」は、「ぷらっとこだま」同様、交通系ICカードにひもづけて利用できます。一方でバリ得は、ICカードが利用できず、JR駅で指定席発売機での受け取り限定になります。

総括

総括すると、料金面では、バリ得の方が若干安いものの、区間によっては「行こっかこだま」の方が安くなります。ただし、大きな差ではなく、いずれも通常運賃よりも安くなります。

それぞれの特徴は差があるものの、どちらが特に優勢というわけではありません。バリ得は長距離の移動、速達列車・グリーン車の利用がメリットなのに対して、「行っこかこだま」は、長距離と中距離にも対応、ただし、各駅列車のみの利用に限定されます。ただし、バリ得では利用できない区間が、「行こっかこだま」では利用できることもあります。ICカードは「行こっかこだま」のみ対応しているので、チケットレスが希望であればバリ得は選択肢になりません。

まとめ

以上をまとめると、いろいろと制約のある切符で、融通が利かない点は理解する必要があります。しかしながら、前日に購入ができ、かつ、大幅に運賃が安くなる商品なのは変わりありません。また、各種ある割引切符の中でも、バリ得とならんで割引率が高いため、山陽新幹線を利用したいのであれば、利用しない手はないでしょう。

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