九州新幹線の割引にはいくつか種類があります。JR各社のオンライン予約サービスと、旅行会社が提供する格安のツアー商品、そして金券ショップの切符があります。それぞれについて解説していきます。
e5489
e5489とは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が提供するインターネット(パソコン・スマートフォン)で予約ができるサービスです。JR西日本のサービスですが、JR九州の新幹線にも利用できます。割引切符にはいくつかの種類があり、J-West会員限定(クレジットカード)のeきっぷ、スーパー早特14と21があります。それぞれの割引率を比較してみていきます。
区間 | 通常運賃 | eきっぷ | 早特14 | 早特21 | |
新大阪⇔ 山陽・九州新幹線⇔博多 | 15,820円~ | 13,100円 | |||
新神戸⇔ 山陽・九州新幹線⇔博多 | 15,490円~ | 15,490円 | 13,100円 | ||
新大阪⇔ 山陽・九州新幹線⇔鹿児島中央 | 22,850円~ | 22,700円 | 19,510円 | 16,900円 | |
広島⇔ 山陽・九州新幹線⇔熊本 | 13,910円~ | 13,870円 | 13,000円 | ||
岡山⇔ 山陽・九州新幹線⇔熊本 | 16,800円~ | 15,920円 | |||
新大阪⇔ 山陽・九州・西九州新幹線 ⇔長崎・浦上(特急乗り継ぎ) | 20,440円~ | 18,220円 | |||
新大阪⇔ 山陽新幹線・特急ソニック ⇔大分 | 18,920円~ | 16,110円 |
それぞれの切符の詳細は下記で解説していきます。切符によって割引率は異なりますが、通常よりも150円~6,000円安くすることができます。一番割引率が高いの早得21、その次が14の順番になります。
eきっぷ
eきっぷはJ-Westカード会員限定の切符で、カード会員になる必要があります。会員制度は基本的には年会費を払う有料制ですが、ベーシックプランに加入しカードを利用するのであれば無料で入会できます。こちらは数百円程度しか安くならない、または通常の切符と同じ料金なのです。しかし、自由席・グリーン車の指定も可能、特定の座席に指定することも可能で、変更も利用前であれば可能で、比較的融通の利く切符です。詳細はこちらで確認できます。
早特切符14・21
早特切符は、1か月前から14日前、1か月前から21日前購入の2つの種類があります。これら切符については、繁栄期などに利用できない期間があり、かつ予約後の変更不可、特定区間のみに限定といった制約があります。特に早特21については、新大阪・新神戸⇔熊本・博多区間のみの設定、早特14については、特定のJR西日本の主要駅とJR九州の使用駅区間のみに設定されています。14については、JR九州新幹線と西九州新幹線以外にも、特急ソニックに乗り継ぎで大分方面へも設定されています。早特21はこちら、早特14はこちらで詳細を確認できます。
なお、購入方法は基本的にオンラインで行います。e5489で交通系ICカードを登録しておけば、当日カードを利用することで、チケットレスで改札を通過できます。
スマートExの割引切符
スマートEXとは、年会費無料ではじめられるJR東海のオンライン予約サービスで、このサービスで東海道・山陽・九州新幹線の割引切符を購入できます。具体例をいくつか取り上げてみていきます。
区間 | 通常運賃 | スマートEx | |
東京⇔JR東海・山陽新幹線⇔博多 | 24,210円 | 23,610円 | |
新大阪⇔JR山陽・九州新幹線⇔久留米 | 17,590円 | 16,990円 | |
名古屋⇔JR東海・山陽・九州新幹線⇔熊本 | 24,240円 | 23,240円 | |
姫路⇔山陽・九州新幹線⇔鹿児島中央 | 22,900円 | 22,300円 | |
博多⇔九州新幹線⇔鹿児島中央 | 11,040円 | 10,440円 | |
熊本⇔九州新幹線⇔川内 | 5,990円 | 5,390円 |
料金は通常運賃に比べて約500円~1,000円安くなります。指定席以外にも自由席・グリーン車も利用できます。割引率自体はそれほど高くありませんが、その代わりに東京から鹿児島中央駅間のすべての駅で利用でき、短距離の移動にも利用できます。また、乗車直前(5分前迄)での購入もできます。一方で、在来線の乗り継ぎ(市内運賃)には対応していないため、新幹線の駅のみの利用に限られます。料金の一覧はこちらから参照できます。
以前は、Ex早特ワイド21、Ex早特といった早割切符が販売されていましたが、現在では終了しています。
これらをまとめると、割引率こそ低いものの、とても融通の利く切符であり、ネットで予約購入する以外は、普通の切符とほぼ変わらない感覚で利用できます。
JR九州インターネット予約「ネット限定きっぷ」
JR九州インターネット予約は、JR九州が運営するネット予約サービスです。これを利用することでJR九州とJR西日本の新幹線・特急列車を予約できます。割安切符はどのようなものがあるのか?具体例を上げていきます。
区間 | 通常運賃 | 当日ネット切符 | eきっぷ | かもめ 早特3 | かもめ 早特7 | 会員限定 | |
博多⇔西九州新幹線 (自由席)⇔長崎 | 5,520円 | 4,200円 | 5,520円 | 3,600円 | 3,200円 | 3,860円 | |
新八代⇔九州新幹線 (指定席)⇔博多 | 5,920円 | 5,390円 | 5,390円 | 3,770円 |
区間 | 通常運賃 | eきっぷ | スーパー早特14 | スーパー早特21 | |
新大阪⇔JR山陽・九州新幹線 (指定席)⇔鹿児島中央 | 22,850円 | 22,500円 | 19,510円 | 16,900円 | |
新山口⇔JR山陽・九州新幹線 (指定席)⇔出水 | 13,430円 | 13,190円 | |||
広島⇔JR山陽・九州新幹線 (指定席)⇔熊本 | 13,380円 | 13,170円 | 13,000円 |
切符には複数の種類があります。このうちネット切符とe切符は当日までの購入が可能。それ以外は事前購入が必要な切符になります。当日購入が可能なeきっぷは、すべての駅で利用できますが割引率は高くありません。一方で早特切符は割引率は高いものの、利用できる区間は主要駅のみに限定されます。なお、割引は自由席にはなく指定席とグリーン車のみになります。
バリ得つばめ・さくら
バリ得とは、山陽・九州新幹線で普通運賃よりも大幅に安く利用できる格安切符(指定席切符)です。日本旅行が販売しているツアーパッケージで、山陽新幹線のこだま・ひかり、九州新幹線のつばめ・さくら、主に各駅停車と一部の速達型の新幹線で利用できるものです。
区間 | 自由席運賃 | バリ得つばめ・さくら | |
新大阪⇔JR山陽・九州新幹線⇔熊本 | 18,350円 | 13,500円 | |
新神戸⇔JR山陽・九州新幹線⇔久留米 | 15,700円 | 11,200円 | |
福山⇔JR山陽・九州新幹線⇔新大牟田 | 13,550円 | 10,000円 |
詳しくはこちらで解説しています。速達列車のみずほには乗車できないので、移動時間はかかってしまいますが、通常の運賃に比べると大幅に安い料金で利用できるのが魅力的です。また、関西・中国と九州間の移動であれば、どの駅からも利用できるのもメリットです。
JTBトクトクひかり・こだま
旅行会社のJTBが販売しているツアー(格安切符)です。バリ得と同じタイプ商品で安い料金で新幹線を利用できます。
区間 | 自由席運賃 | トクトクの料金 | |
新大阪⇔JR山陽・九州新幹線 ⇔博多 | 14,750円 | 10,600円 | |
西明石⇔JR山陽・九州新幹線 ⇔鹿児島中央 | 21,450円 | 15,200円 |
この商品は新大阪~姫路間の駅と、JR九州新幹線の一部主要駅の区間で利用できるものです。バリ得同様、各駅停車の列車と一部の速達型列車のみ利用できます。割引率はとても高く魅力的な切符です。名称はトクトクひかり・こだまとなっていますが、JR山陽新幹線区間はこだま・ひかり、JR九州新幹線の区間では各駅型のつばめ・さくらに乗り換えて移動します。
これ以外の割引切符
これ以外の割引切符としては、金券ショップの切符(回数券のばら売り、株主優待券)があります。金券の格安切符については、下記に具体例を上げていきます。
区間 | 通常運賃 | 回数券バラ売り | 株主優待券 | |
博多⇔九州新幹線⇔鹿児島中央駅 | 10,110円 | 8,460円 | 自由席:4,500円 優待券:~2,800円~ |
JR九州の株主優待券は、優待券を利用し切符を購入することで、乗車券にかかる部分が在来線乗り放題という形で還元されます。優待券を別に購入する必要があるので、その分の料金がプラスされます。その場合割引率が低くなりますが、短距離の利用によってはかえって割高になるケースもあるので注意が必要です。この点についてはこちらのページで詳しく解説しています。
まとめ
九州新幹線の割引切符は多くの種類があります。特に山陽新幹線と合わせて利用できるものが多いです。まとめると、ネットで購入する切符は安く、かつ事前購入(~日前)が必要なものほど安くなります。すべての駅で利用できるわけではなく、制限が多い、特に主要駅間のみの切符で指定席が中心になります。
バリ得やJTBのトクトクひかり・こだまはそういった制約こそ少なく、かつ割引率は高いものの、速達列車は利用できないので移動に時間がかかります。金券ショップの割引切符はどこでも利用でき、制約もないですが、前者の切符ほど割引率は高くありません。自分の用途にあった切符を購入するのが良いでしょう。