ここでは、東京と愛知県名古屋市の都市間移動について比較していきます。東京と名古屋市は約350kmの距離があり、双方とも大都市であるため、移動手段は充実しています。移動手段は、東海道新幹線、高速バス(夜行・昼行)、飛行機の3つがあります。ここでは東京駅と名古屋駅の移動で、それぞれを比較してみていきます。大まかに比較すると、以下になります。
運賃:高速バス<飛行機≦東海道新幹線
移動時間:東海道新幹線<飛行機<高速バス
JR東海道・山陽新幹線(のぞみ・ひかり)
![]() | 東京駅⇔東海道新幹線⇔名古屋駅 | グリーン14,960円 指定席 11,300円 自由席 10,560円 | のぞみ1時間37分 ひかり1時間58分 こだま2時間36分 |
初めに東海道新幹線を比較します。乗り換えなしで移動できます。料金は自由席で10,560円ですが、各種割引切符があるので、それらを利用することでさらに安く移動できます。各種割引切符は以下のようになっています。
e特急券 | グリーン14,540円 指定席 10,880円 自由席 10,470円 | 会員制 当日予約可能 |
EX予約サービス | グリーン14,540円 指定席 10,880円 自由席 10,310円 | 有料会員 当日予約可能 (早特は3日前) |
スマートEX予約サービス | グリーン14,760円 指定席 11,100円 | 無料会員 当日予約可能 |
Ex早特3 | グリーンのぞみ13,620円 グリーンひかり12,050円 グリーンこだま11,290円 | 3日前購入 |
Ex早特7(ひかり・こだま) | 指定席 9,900円 | 7日前購入 |
Ex早特21 | 指定席 10,370円 | 21日前購入 |
こだまファミリー早特7 (ひかり・こだま) | 指定席 9,500円 | 7日前購入 2人以上 |
金券購入 | 自由席 9,980円 | |
学割 | グリーン13,680円 指定席 10,020円 自由席 9,280円 | 学割証明必要 |
ぷらっとこだま | グリーン9,610円 指定席 8,710円 | JR東海の旅行商品 前日購入可能 |
最も安い切符はぷらっとこだま、次が学割、こだまファミリー早特7、Ex早特7、金券の順です。Ex予約サービスとe特急券、スマートExは、ネット予約専用の切符ですが、割引率は高くありません。
移動時間は最速の「のぞみ」で約1時間30分、停車駅が増える「ひかり」は約2時間、各駅でかつ速達列車の通過待ちを行う「こだま」は約2時間35分です。最速は「のぞみ」なのは言うまでもありません。「こだま」になると時間がかかりますが、それでも高速バスに比べると、新幹線の方が速いです。運行本数は非常に多く、1時間辺り10本以上はあり、数分間隔で運行されているので、時間の融通が利きやすいです。
混雑の度合いですが、東海道新幹線区間のいずれも利用者が多いので、着席できない時もあります。「のぞみ」の場合、途中駅は品川・新横浜駅のみですが、上りの場合、降車する乗客が多いものの、新横浜以東では、移動時間は長くありません。下りの場合、乗車する乗客が多いので、空いている座席に座るのは難しいです。名古屋駅と東京駅では乗車前に早く並び、空いている座席を確保できるかが重要でしょう。
ツアーを利用して移動する。
新幹線および飛行機を利用する場合、1泊以上ホテルで宿泊するのであれば、個人のツアーパックを申し込む方法もあります。これは1人以上から利用できるツアーを利用します。料金は往復の交通費+宿泊費を含んだ料金で、通常運賃よりも安い値段で提供されています。ツアーのメリットは、通常運賃より割引されるのと、ホテルと合わせて予約できる点です。わざわざ、別のサイトでホテルを予約する必要がなく、一括で予約ができるため時間が節約できます。具体例をあげてみていきます。
![]() | 東京駅⇔東海道新幹線 ⇔名古屋駅(往復・ホテル1泊) | すべて込み 24,700円~ | 別々に予約した場合 新幹線:10,560円x2 ホテル:5,000円~ 合計:26,120円~ |
ツアーは1人旅行のケースを想定しています。ホテルは最安値5,000円で泊まれるホテルと仮定します。この場合、ツアーの価格との差額は1,420円です。片道あたりの運賃で計算すると9,850円となり、Ex早特7とほぼ同じくらいの料金になります。
高速バス(東名ハイウェイバス)
![]() | 東京駅八重洲口⇔東名ハイウェイバス ⇔名古屋IC・栄・名古屋駅 | 5,800円 | 5時間30分~ |
次に高速バスを見ていきます。メインのバスとして、東名ハイウェイバスが両都市間を運行しています。料金は5,800円ですが、早割1を利用することで2,000~5,400円で利用できます。
東京名古屋間の東名ハイウェイバスは系統があり、東京駅名古屋駅間をノンストップで移動する新東名スーパーライナー、主要なバス停にのみ停車するスーパーライナーの2系統があります。移動時間については、前者の方が速く、最速で5時間30分、後者の場合は6時間20分です。しかしながら、渋滞によってこの時間は長くなる可能性があり、後者の場合、各バス停で乗降の時間が長くなり、遅れることが頻繁にあります。前者の場合、渋滞がなければ定刻か、定刻より早く到着することもありますが、後者の場合は、遅れることが多いです。これを踏まえると、東名バスは時間の制約が少ない人向けといえるでしょう。運行本数は多く、おおむね、1時間あたり1~2本運行されています。ただし、移動時間の長さゆえに、夜18時以降に出発するバスがない点には注意が必要です。
高速バス(東名ハイウェイバス以外・昼行便)
![]() | 王子駅・東京駅・横浜駅YCAT ⇔特急ニュースター号⇔名古屋駅・栄 | 3,300円~ | 6時間30分 | 1日1便 (午前発) |
![]() | 東京駅八重洲口⇔グレースライナー ⇔名古屋南ささしまライブ | 3,200円~ | 5時間45分 | 1日2便 (午前発) |
![]() | 東京駅八重洲口⇔JAMJAMライナー ⇔名古屋南ささしまライブ | 4,500円~ | 5時間30分 | 1日1便 (午前発) |
![]() | バスタ新宿⇔オリオンバス⇔ 名古屋南ささしまライブ | 3,000円~ | 5時間30分 | 1日1便 (午前発) |
![]() | 大宮駅・東京駅⇔ブルーライナー⇔ 名古屋南ささしまライブ | 3,000円~ | 5時間5分 | 1日1便 (午前発) |
![]() | 新木場駅・バスタ新宿・東京駅・ 横浜駅YCAT⇔ウィラーエクスプレス ⇔ジブリパーク・名古屋駅 *複数系統のバスあり | 3,100円~ | 5時間30分 | 1日12便 (朝~夕) |
![]() | バスタ新宿・三鷹・府中・八王子⇔ 新宿名古屋線⇔多治見・桃山台・栄・名鉄BC *中央道経由、沿線のバス停に停車 | 5,200円~ | 6時間3分 | 1日2便 (朝夕発) |
日中に運行しているバスは、東名ハイウェイバス以外に7つあります。いずれも東京および名古屋近郊の主要駅や主要バスターミナルを結ぶバスで、東名バスと異なり、停車するバス停は限定されます。多くのバスは、名古屋側で「ささしまライブ」を発着としていますが、名古屋駅から少し南にある場所で、名古屋駅からは徒歩で移動できるので、名古屋駅とほぼ同じと考えて良いです。運賃は全体的に安く、最安値で3,000円台から利用できます。移動時間は、多くのバスが5時間30分台で、特急ニュースター号は横浜駅に停車するため長く、6時間30分です。一方、ブルーライナーは最速で5時間5分です。これらは、多くが1日1便、朝に出発し夕方前に停車するバスです。よって、ほぼ1日移動に費やします。別の時間帯に移動したい人は、東名バス、または高頻度で運行されるウィラーエクスプレスを利用すると良いでしょう。
なお、最後の新宿名古屋線は、中央道を走行するバスで、他のバスと異なり、中央道沿線のバス停に停車します。そのため、名古屋近郊・岐阜県の東部・八王子~府中エリアが発着の場合は、このバスが便利です。
高速バス(夜行バス)
![]() | 柏・流山・和光・大宮駅・東京駅・横浜駅 ⇔ミルキーウェイエクスプレス⇔ 名古屋駅・栄・名古屋南ささしまライブ | 2,000円~ | 22時~24時発 5時~7時着 |
![]() | バスタ新宿・秋葉原駅・横浜駅YCAT ⇔さくら高速バス⇔岡崎・豊田・栄・名古屋駅 | 2,000円~ | 23時~24時発 5時~7時着 |
![]() | バスタ新宿・横浜駅YCAT⇔グレースライナー ⇔名古屋南ささしまライブ | 2,000円~ | 22時発5時着 |
![]() | TDL・東京駅⇔オリオンバス ⇔名古屋南ささしまライブ | 2,000円~ | 22時~24時発 5時~6時着 |
![]() | 大宮駅・東京駅⇔ブルーライナー⇔ 名古屋南ささしまライブ | 2,000円~ | 22時~24時発 5時~6時着 |
![]() | 東京駅・横浜駅YCAT・町田・秦野⇔SG号 ⇔名古屋ミッドランドスクエア・金山 | 3,900円~ | 22時~23時発 5時~6時着 |
![]() | 大宮駅・東京駅・羽田エアポート ⇔あおぞらライナー⇔栄・ 名古屋ミッドランドスクエア ・太田川駅・朝倉駅 | 2,200円~ | 22~24時発 5時~6時着 |
![]() | TDL・東京駅・池袋・バスタ新宿 ⇔NEWWORK便⇔名古屋南ささしまライブ | 2,200円~ | 22時~23発6時着 |
![]() | 志木・川越・TDL・東京VIPラウンジ・横浜駅 ⇔VIPライナー⇔豊橋・長久手・栄 ・名古屋駅・金山駅 | 2,300円~ | 22時~23時発 6時着 |
![]() | 西船橋・秋葉原駅・町田⇔流星号 ⇔名古屋南ささしまライブ | 2,200円~ | 22時発5時~6時着 |
![]() | 船橋・TDS・お台場・東京大手町・東京駅 ・横浜駅⇔JAMJAMライナー ⇔星ヶ丘・金山駅・名古屋南ささしまライブ | 2,200円~ | 22時~23時発 5時~6時着 |
![]() | 東京駅・横浜駅⇔KB便 ⇔名古屋南ささしまライブ | 2,200円~ | 22時~24時発 5時~6時着 |
![]() | 王子駅・東京駅・六本木ヒルズ ⇔特急ニュースター号⇔名古屋駅・栄 | 3,000円~ | 23時発6時着 |
![]() | TDL・東京駅・バスタ新宿・大崎駅・池袋駅 ・川崎・新横浜・横浜YCAT・町田 ⇔ウィラーエクスプレス ⇔藤が丘・名古屋駅・ナガシマリゾート・四日市 | 2,500円~ | 21~22時発 5~6時着 |
![]() | 新木場駅・東京駅・バスタ新宿・東名江田 ⇔ドリーム号⇔岡崎・春日井・豊田・日進 ・赤池駅・金山駅・名古屋駅・一宮・岐阜 | 2,400円~ | 22時発6時着 |
![]() | TDL・東京駅⇔ファンタジアなごや号⇔ 新安城・知立・刈谷・名古屋駅・八田駅 | 3,900円~ | 22時~23時発 5時~7時着 |
![]() | バスタ新宿・三鷹・府中・八王子⇔新宿名古屋線⇔ 多治見・桃花台・栄・名鉄バスセンター | 5,200円~ | 22時~23時発 5時~6時着 |
東京名古屋間は、実に17便もの夜行バスが運行されており、とても移動需要が多い区間です。これらの大部分は、東京側がバスタ新宿・東京駅発着、名古屋側が名古屋駅・ささしまライブとなっており、一部のバスは、TDL・大宮駅・横浜駅・名古屋の栄に停車します。特徴的なものを上げると、ミルキーウェイエクスプレスは、千葉・埼玉南部から発着するバスがあり、さくら観光バス・VIPライナー・JRのドリーム号・ファンタジアなごやは、名古屋以外の都市、春日井・豊田・岡崎・知立・刈谷・安城・豊橋・岐阜といった都市にも停車します。ウィラーエクスプレスは、東京名古屋以外にも、川崎・町田・三重の長島リゾート・四日市に停車するバスがあります。なお、停車するバス停の多いバスは、複数系統設けられており、ミルキーウェイエクスプレスとウィラーエクスプレスは、複数の系統が存在します。最後の新宿名古屋線は、東名ではなく中央道を経由する高速バスの夜行バスで、中央道沿線の都市、上記以外には中津川・恵那といった都市にも停車します。いずれのバスも、名古屋および東京を、夜の22時~24時出発、朝の5時~7時に到着するバスが多く、出発、到着時刻に大きな差はありません。
運賃は最安値で2,000円で、多くのバス会社が特割やWeb割を行っており、安い日程の最安値の日程に、2,000円の運賃が割り当てられます。ただし、安い運賃の場合、4列シートであったり、男女の隣りあわせの配慮が行われないなどのデメリットがあります。3列シート以上の快適な座席を選択する場合は、もう少し値段が高くなると見てよいでしょう。
なお、この区間に個室を備えた高速バスは運行されていませんが、VIPライナーについては、VIPラウンジ(ドリンク無料、横になれる部屋、有料シャワーなど)が利用できるサービスを行っています。
どのバスもそれぞれに特徴があり、割引が充実しており、安いバスが多いです。自分が利用しやすいバスを選択するのが良いでしょう。
飛行機(羽田空港⇔中部国際空港)
![]() | 東京駅⇔山手線・モノレール⇔ 羽田空港⇔飛行機⇔セントレア ⇔名鉄ミュースカイ⇔名古屋駅 | 東京鉄道690円 飛行機9,250円~ 名古屋鉄道980円 合計:10,920円~ | 約30分 約1時間5分 約50分 合計:3時間25分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
東京名古屋間は、距離が短いながらも、飛行機が運行されているので、飛行機も見ていきます。はじめに羽田発着の飛行機です。羽田名古屋間は、JAL・ANAが運行されています。運行本数は少なく、1日3便のみです。航空券は最安値で9,250円で購入でき、鉄道の運賃も含めると、10,920円で移動できます。移動時間は約3時間25分で、東京名古屋間の移動では、新幹線よりも大幅に長くなります。率直に言って、飛行機で移動するメリットはなく、移動時間の短さなら新幹線、交通費の安さなら高速バスで移動した方が良いでしょう。
東京名古屋間のような、新幹線が圧倒的に有利な区間で、飛行機が運行されている理由は、国際線や国内線の乗り継ぎを行う利用客が多いのが理由です。例えば、羽田発着の国際線に乗車するために、名古屋から鉄道で羽田まで行くよりも、名古屋空港から飛行機に乗り、羽田で乗り継ぐというルートを取る人が多くいます。その方が便利だからです。その逆もしかりですし、また、国内線の乗り継ぎも、例えば、名古屋で就航されていない地方便は、羽田経由で移動できるというケースもあります。
飛行機(成田空港⇔中部国際空港)
![]() | 東京駅⇔エアポートバス⇔ 成田空港⇔飛行機(LCC)⇔セントレア ⇔名鉄ミュースカイ⇔名古屋駅 | 東京バス1,500円 飛行機9,250円~ 名古屋鉄道980円 合計:11,730円 | 約1時間15分 約1時間50分 約50分 合計:約4時間55分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
次に成田空港を利用するルートを見ていきます。この場合、JAL・ANAを利用して移動します。LCCは就航していません。運行本数は、羽田同様1日3便のみです。運賃は最安値で9,250円、鉄道やバスの運賃を含めると、11,730円です。移動時間は長く約5時間です。単に東京名古屋間の移動であれば、全く選択肢には入りません。
成田空港便が運行される理由は、国際線の乗り継ぎが理由です。セントレアよりも、成田空港の方が便数は圧倒的に多いですし、セントレアで運行されていない国への運航便も、成田なら運行されています。特にヨーロッパ、北米、中東、オセアニア方面は、成田空港から複数運行されています。
まとめ
以上をまとめると、最も移動時間が短いのはJR東海道新幹線で、移動時間では、新幹線にかなう手段はありません。ただし、それゆえに運賃が高いのが特徴です。交通費の安さでは、夜行バスが圧倒的で、2,000円で移動でき、宿泊費を節約できるのは魅力的です。また、運行本数が多いのも大きな特徴です。昼行バスも、安いバスは3,000円から利用でき、交通費を節約できます。運行本数の多い東名バスは、それなりの運賃であるものの、それでも新幹線の半額程度の料金です。飛行機は、東京名古屋間の移動には適さず、成田・羽田・セントレアから、国際線の乗り継ぎの用途に利用されます。
交通手段比較早見表
移動手段 | 通常料金 | 最安値料金 | 移動時間 | 備考 |
JR東海道新幹線 | 10,560円 | 8,710円 | のぞみ1時間37分 ひかり1時間58分 こだま2時間36分 | 最安値は ぷらっとこだま |
ツアー | 9,850円~ | 〃 | 片道あたりの運賃で計算 | |
高速バス | 3,000円~ (5,800円) | (2,000円) | 5時間5分 (5時間30分) | ()は東名ハイウェイバス 最安値は早割1 |
夜行バス | 2,000円~ | —————- | 夜発朝着 | 宿泊費節約可能 |
飛行機(中部羽田) | 10,920円~ | —————- | 約3時間25分 | |
飛行機(中部成田) | 11,730円~ | —————- | 約4時間55分 |