このページでは、静岡県の県庁所在地である静岡市と、静岡県西部、遠州地方の中心都市である浜松市の移動について比較していきます。両都市間は約80km離れており、都市間の移動としては短距離です。この区間の移動手段は、東海道新幹線・在来線・高速バスの3つがあります。おおまかに比較すると以下になります。
- 運賃 新幹線>高速バス≧在来線
- 移動時間 高速バス>在来線>新幹線
単純に、一番早く移動できるのは新幹線で、一番安く移動できるのは在来線です。それぞれを比較してみていきます。
JR東海道新幹線ひかり・こだま
![]() | 静岡駅⇔東海道新幹線⇔浜松駅 | グリーン車4,200円 指定席 3,430円 自由席 2,330円 | 20~26分 |
最初に、新幹線で移動する場合を見ていきます。新幹線は自由席で2,330円です。e特急券・EXサービスでも自由席の料金は変わりません。ネットの会員サービスを利用することで、上記料金はさらに安くすることが可能です。以下に一覧を表示します。
e特急券 | 3,930円(グリーン車) 3,160円(指定席) | 会員制 当時予約可能 |
EX予約サービス | 3,930円(グリーン車) 3,160円(指定席) | 有料会員 当日予約可能 |
スマートEX予約サービス | 4,000円(グリーン車) 3,230円(指定席) | 無料会員 当日予約可能 |
Ex早特1 | 2,090円(自由席) | 前日まで購入可能 |
金券購入 | 2,280円(自由席) |
学割は、学割の要件である片道101km以上を満たさないため利用できません。また、「ぷらっとこだま」静岡浜松間は設定されていません。最安値はEx早特1の2,090円で、その次が金券ショップの金券2,280円です。
移動時間は、最速のひかり号で約20分、各駅停車のこだま号で約25分です。ひかり号は、途中の停車駅がないため速く、こだま号は各駅停車で、各駅の「のぞみ号」の通過待ちがあるため、この移動時間です。しかし、途中に停車する駅は掛川駅のみなので、その差はわずか5分です。運行本数は「ひかり」が1時間に1本、「こだま」が1時間に2本運行されています。
この区間の座席の混雑ですが、長距離移動が主体となる「ひかり」は利用者が多いため、座れないことが多くあります。一方で「こだま」の方が空席が多く、繁栄期でなければ、ほぼ座れます。「こだま」が30分に1本の本数であることを考えると、わざわざ混んでいる「ひかり」を利用するメリットは少ないかと思います。
在来線(東海道線)
![]() | 静岡駅⇔東海道線⇔浜松駅 | 1,340円 | 1時間3分 |
次に在来線(東海道線)を見ていきます。この場合、乗り換えなしで移動でき、特急券がかからないため、料金は安くなります。運賃は1,340円で、移動時間は約1時間です。朝夕の時間帯には、特急列車と同じ快適性のホームライナーが運行されており、この場合は約50分で移動できます。グリーン券+330円を購入する必要があるも、新幹線よりも安い運賃で移動できます。運行本数は、1時間あたり3本運行されており、本数は充実しています。
在来線はロングシートの座席中心で、快適ではないデメリットがありますが、静岡地区の在来線でも一部の列車、車両にクロスシート車両が配備されており、そちらで着席できれば、特急列車並みに快適に移動ができます。ただし、静岡市周辺は利用客が多く混雑するため、着席できない時もあります。
高速バス(東名ハイウェイバス)
![]() | 静岡駅⇔しずてつバス⇔静岡IC 東名静岡⇔東名バス⇔東名浜松北 自動車学校前⇔遠鉄⇔浜松駅(新浜松) | 静鉄:250円 東名バス:1,300円 遠鉄:220円 合計:1,770円 | 約30分*1 約1時間5分 約20分*2 約1時間55分~ |
次に高速バスを見ていきます。静岡と浜松の中心、主要駅を結ぶ高速バスは運行されていません。この場合、東名ハイウェイバスを利用します。発着地をそれぞれ静岡駅・浜松駅とすると、東名のバス停まで静岡側はしずてつバス、浜松側は遠鉄の列車を利用して、高速バスに乗り換えます。
この場合、運賃は1,770円で、移動時間は約2時間です。ただし、乗り換えによる待ち時間によっては、さらに伸びる可能性があります。また、東名バスは遅れることも多いため、遅れによって移動時間が延びる可能性もあります。運行本数は、東名のバス停に停車するバスは1日7本のみです。なお、1日2便のみ浜松駅発で東名静岡に停車するバス、1日1便のみ静岡駅発で東名浜松北に停車するバスがあります。
高速バスは、乗り換えが複数回あり、待ち時間もあり、移動時間は鉄道よりも長いため、現実的な選択肢ではありません。単純に静岡駅と浜松駅間の移動であれば、乗り換えのない鉄道の方が良いでしょう。ただし、東名バスはバス停の数が多く、それぞれで乗降ができます。例えば、鉄道のない吉田町と浜松の移動であれば、バスの方が便利で、運賃も安く早いでしょう。また、東名静岡および東名浜松北間周辺が発着地であれば、わざわざ駅まで行かずとも、高速バスを利用した方が良いでしょう。
まとめ
以上をまとめると、移動時間がもっとも短いのはJR東海道新幹線で、一番運賃が安いのは在来線です。高速バスは現実的な選択肢ではなく、鉄道が唯一のルートになります。もっとも、購入が容易で融通が利く早特1が2,090円、在来線との差は750円ですので、単発の移動であればたいした差額ではなく、時間のかかる在来線を利用するよりも、新幹線の方が良いでしょう。
高速バスは、発着地によっては選択肢になり、わざわざ静岡駅や浜松駅まで行って鉄道に乗り換える手間よりも、地元のバス停から乗り換えなしで移動できるのであれば、その方が便利で、運賃も安く移動時間が短くなるケースもあります。
移動手段比較速見表
移動手段 | 通常料金 | 最安値 | 移動時間 | 備考 |
東海道新幹線 | 2,330円 | 2,090円 | 20~25分 | Ex早特1が最安値 |
在来線 | 1,340円~ | 1時間3分 | ||
高速バス | 1,770円 | 約1時間55分~ | 乗り換えあり |