名古屋市と京都市は約120kmの距離があり、双方とも大都市であるため移動手段は充実しています。移動手段は東海道新幹線、高速バス(夜行・昼行)、在来線(快速利用及び特急利用)の3つがあります。それぞれを比較してみていきます。大まかに比較すると、以下のようになります。
運賃:高速バス≦在来線<特急しらさぎ<東海道新幹線
移動時間:東海道新幹線<特急しらさぎ<在来線≦高速バス
JR東海道新幹線(のぞみ・ひかり・こだま)
名古屋駅⇔東海道新幹線 ⇔京都駅 | グリーン車のぞみ 7,980円 グリーン車ひかり 7,770円 指定席のぞみ 5,710円 指定席ひかり 5,500円 自由席 5,170円 | のぞみ約35分 ひかり約40分~ こだま約57分 |
初めに東海道新幹線を比較します。料金は自由席で5,170円になります。各種割引切符があるので、それらを利用することでさらに安く移動することができます。各種割引切符は以下のようになっています。
e特急券 | グリーン車 7,170円 指定・自由席 4,910円 | 会員制 当日予約可能 |
EX予約サービス | グリーン車 7,170円 こだま指定早特3グリーン 5,320円 指定・自由席 4,910円 こだま指定ファミリー早特3 4,180円 | 有料会員 当日予約可能 (早特は3日前) |
スマートEX予約サービス | グリーン車 7,780円 指定席のぞみ5,710円 指定席ひかり5,510円 自由席 5,170円 | 無料会員 当日予約可能 |
金券購入 | 約4,900円 | |
学割 | グリーン車のぞみ 7,450円 グリーン車ひかり 7,240円 指定席のぞみ 5,180円 指定席ひかり 4,970円 自由席 4,640円 | 学割証明必要 |
ぷらっとこだま | グリーン車 6,200円 自由席 4,600円 | 1日前まで購入可能 ドリンク引換券あり。 |
観光都市である京都と東海地方最大都市名古屋を結ぶ区間だけあって、割引チケットも充実しています。料金の幅は4,600円~7,780円になります。この中でもっとも安いのは、こだまファミリー指定早特割引の4,180円、次はぷらっとこだま自由席の4,600円、学割の自由席4,640円、金券ショップのチケットが約4,900円、そしてe特急券の自由席・指定席が4,910円と5,000円以下まで割引されるチケットが多く利用できます。なお、最安値のファミリー切符は最低2人以上で利用する必要があるので、1人における最安値はぷらっとこだまになります。
移動時間はいずれも1時間以内に収まります。最速ののぞみ号は約35分、ひかり号は約40分、こだま号でも57分(約1時間)となります。ひかり号の場合は、停車駅の数によって異なり、新大阪発着のひかり号はすべての駅に停車するのでこだま号と同じ所要時間になります。こだま号は各駅に停車するので、のぞみ号の通過待ちに時間がかかります。しかし、この区間は通過待ちがあるのは岐阜羽島と米原駅の2つだけですので、それほどストレスにはなりません。移動時間にも極端な差はないので、のぞみ・こだま問わずホームに来た列車に乗って移動した方が早く到着するかもしれません。京都名古屋いずれもすべての列車が停車するので、運行本数は非常に多く、どの時間帯でも利用しやすいです。
座席の混雑状況ですが、こだま号は混雑期でなければ比較的座れます。特に階段から離れている先頭車両側は利用者が少なく、ガラガラの日も少なくありません。ひかり号やのぞみ号は利用者が多いので、混雑期は座れないことが多いでしょう。通常期でも、列車到着前に列に並んでいないと席が確保できないこともあります。
ツアーを利用して移動する
新幹線を利用する場合、1泊以上ホテルで宿泊するのであれば、個人のツアーパックを申し込む方法もあります。これは1人以上から利用できるツアーを利用します。料金は往復の交通費+宿泊費を含んだ料金で、通常価格よりも安い値段で提供されています。ツアーのメリットは、通常価格より割引されるのと、ホテルと合わせて予約できる点です。わざわざ、別のサイトでホテルを予約する必要がなく、一括で予約ができるため、時間の節約になります。具体例をあげてみていきます。
名古屋駅⇔東海道新幹線 ⇔京都駅(往復・ホテル1泊) | すべて込み 13,200円~ | 別々で予約した場合 運賃:5,170円x2 ホテル:5,000円~ 合計:15,340円~ |
ツアーは最安値のもので13,200円になりますが、新幹線・ホテルを別々に予約すると15,340円、差額は2,140円になります。ホテルのロケーションによっては京都駅から地下鉄やバスなどを利用する必要がありますが、それでも数百円の出費なので、ツアーの方がトータルでは安くなることが多いです。この価格は、ホテルによってはぷらっとこだまの往復利用よりも安くすることができます。
高速バス(名神ハイウェイバス)
名鉄バスセンター・名古屋駅 ⇔名神ハイウェイバス⇔京都駅 | 2,600円 | 約2時間30分~2時間47分 |
次に高速バスを見ていきます。まず日中に運行される名神ハイウェイバスが上げられます。料金は2,600円になりますが、各種割引切符がありそれらを利用することで、更に安くすることができます。割引切符は以下になります。
割引切符 | 料金 | 備考 |
早割1平日 | 1,400円 | |
早割休日 | 2,000円 | |
学割 | 2,080円 | 学生証必要 |
回数券 | 2,090円 | 8,360円(4枚) |
往復割引 | 2,340円 | 往復4,680円 |
もっとも安い価格では平日の早割(前日予約)が1,400円になります。新幹線自由席の7割以上も安い価格になるので、これを利用しない手はないでしょう。それ以外の割引切符も安く、往復割引でも通常価格よりも260円安い、2,340円で利用できます。
移動時間は約2時間30分~2時間50分になります。前者の早い移動時間は特急の新名神経由、後者は各駅停車の名神経由便になります。なお、どちらも京都深草バス停に停車します。名神・新名神いずれも交通量は多く、土日祝日や行楽シーズンは渋滞しやすいので、渋滞に巻き込まれるとこれより更に移動時間がかかることがあります。また、京都市内と名古屋~一宮IC間は一般道を走行するので、一般道の混雑によっては遅れが生じることもあります。近年の動向として、新名神の開通延伸などで、混雑はだいぶ緩和されてきているので、平日や休日でも交通量の少ない時間帯は、大きく遅れることは少ないです。また、東名バスと異なり、特急・各駅のバスいずれも停車駅自体が少ないので、順調に進めば遅れることなく、むしろ到着予定時刻より早く到着することもあります。
運行本数は1日12便、30分~1時間30分間隔で運行されているので、どの時間帯でも利用することができます。
高速バス停「京都深草」で鉄道に乗り換えが可能。
名神ハイウェイバスは、全ての便が京都深草バス停に停車します。このバス停は、京都南ICの少し先にあり、京都行きは高速を降りる手前、名古屋行きは高速に乗ってからすぐの場所にあります。このバス停の近辺には、京阪本線の藤森駅、近鉄京都線、市営地下鉄の竹田駅があります。これら駅は徒歩で5~10分程度の距離になりますが、これら鉄道路線と間接的に接続しているので、京都市内方面及び奈良・枚方・八幡方面への乗り換えが可能です。特に近鉄は急行が停車する駅でもあるので、奈良方面との接続も悪くありません。高速バスは京都市内で渋滞に巻き込まれることがあるので、その渋滞回避にも有効なバス停になるでしょう。
ちなみに、このバス停は大阪と各地方へ結ぶ高速バスが停車するバス停でもあります。大阪・神戸方面は利用できませんが、このバス停から各方面へのバスに乗車することができます。
高速バス(名神ハイウェイバス以外・夜行バス)
名古屋駅・栄⇔ 京都名古屋特急ニュースター号 ⇔京都駅 | 2,000円~3,600円 | 約2時間30分 |
日中に運行しているバスは、名神ハイウェイバス以外に、大阪バスが運行するニュースター号があります。料金は平日などの最安値時期が2,000円、休日などの最高値時期が3,600円と幅があります。名神バスと異なる点は、名古屋側が栄・愛知県庁前に停車すること、京都側では名神バスは烏丸口側のバス停に停車するのに対して、こちらは八条口側に停車することです。移動時間は約2時間30分で、名神バスと移動時間は同じです。こちらは朝1便、夜2便(往復6便)のみ運行されている高速バスです。
名古屋駅・岐阜駅⇔ 青春大阪ドリーム名古屋号⇔京都駅 | 2,600円~3,770円 | 夜出発 早朝到着 |
京都名古屋間は、距離が短いながらも夜行便が運行されています。こちらは青春ドリーム号大阪と名古屋を結ぶ高速バスで、京都駅にも停車するバスです。岐阜駅にも停車するのが特徴です。夜の9時及び11時に出発し、朝の4時~5時頃に目的地に到着します。料金は最安値は早特1の2,600円ですが、2,600~3,770円と幅があります。普通料金では3,300円となり、日中に運行される高速バスよりも運賃は高くなります。ただし、高速バスの車内で1泊する形になるので宿泊費を浮かせることができます。交通費と宿泊費込みで3,300円ですから、コストパフォーマンスはかなり高い手段になるでしょう。
在来線(JR東海道線快速)
名古屋駅⇔JR東海道線⇔京都駅 *大垣・米原で乗り換えあり。 | 2,640円 | 約2時間51分 |
次にJR東海道線1本を利用した場合を見ていきます。この場合、快速・普通列車を乗り継いで移動する形になります。運賃は2,640円、移動時間は約2時間50分となります。いずれも高速バスとほぼ同じになります。特徴としては、大垣駅・米原駅で乗り換えが2回必要になることです。名古屋から米原駅まで乗り換えなしで利用できる電車もありますが、運行本数は少なく、朝と夕方のみに運行されています。この区間の列車はクロスシート車両を採用しており、座席が確保できれば特急列車並みに快適に移動ができます。もっとも、混雑するエリアでもあるので、なかなか座席が確保できない難点はあります。
在来線(特急しらさぎ・JR東海道線快速)
名古屋駅⇔特急しらさぎ⇔米原駅 ⇔JR東海道線快速⇔京都駅 | 3,840円 | 約1時間55分 |
最後に在来線でも特急を利用した移動手段を見ていきます。この場合、名古屋米原駅間のみ特急しらさぎを利用するルートです。この列車は、本来北陸と名古屋を結ぶ特急列車ですが、米原駅で乗降が可能なので、米原名古屋駅間のみ利用ができます。この場合の料金は、特急料金(自由席)を含み3,840円、移動時間は約1時間55分になります。新幹線よりは遅いものの、高速バスよりは早く、料金は両者の中間に位置する形になります。この特急しらさぎは2時間辺りに1本の運転本数になりますので、時間の融通は利きやすいです。
まとめ
以上をまとめると、最も移動時間が短いのはJR東海道新幹線のぞみで、約35分で移動できます。最も交通費が安いのは名神ハイウェイバスの早特1割引を利用した場合で、1,400円になります。両都市間を早く移動したいのであれば新幹線、安く移動したいのであれば高速バスを利用するのが良い方法でしょう。ちなみに、在来線の特急しらさぎを利用する場合は、料金はそこそこで移動時間もそこそこですから、安く移動したいけど新幹線ほど高い交通費を払いたくない、かつ、そこまで早く移動する必要もない人に向いているでしょう。
交通手段比較早見表
移動手段 | 通常料金 | 割引最安値価格 | 移動時間 | 備考 |
JR東海道新幹線 | 5,170円 | 4,180円 | 35分~57分 | 最安値はこだま早特 ファミリー割引。 |
高速バス | 2,600円 | 1,400円 | 2時間30分~47分 | 最安値は名神バス早特1。 |
夜行バス | 3,340円 | 2,600円 | —————— | 宿泊費節約可能。 |
在来線 | 2,640円 | —————- | 2時間51分 | 乗り換え2回あり。 |
特急利用在来線 | 3,840円 | —————- | 1時間55分 | 名古屋米原間は 特急しらさぎ。 |