札幌市は北海道の中心都市であり政令指定都市でもあります。仙台市も同様に政令指定都市であり、東北地方の中心都市でもあります。両都市間は直線距離で約810km離れており、移動手段は、鉄道・飛行機・フェリーの3つがあります。ここではそれぞれを比較してみていきます。
鉄道(特急北斗・北海道・東北新幹線)
![]() ![]() | 札幌⇔特急北斗号⇔新函館北斗 ⇔北海道・東北新幹線⇔仙台 | 38,960円(グランクラス) 34,760円(グリーン) 24,640円(指定席) | 6時間27分 |
はじめに鉄道を見ていきます。鉄道の場合、札幌新函館間を特急北斗、新函館以南は北海道・東北新幹線で移動します。料金は最安値で24,640円、自由席は設定されていないため、指定席の料金が最安値です。移動時間は約6時間27分で、長い時間を車内で過ごさなければなりません。これは札幌まで新幹線が全通していないのが理由です。運行本数は、特急北斗が1日10本、1時間30分~2時間に1本の運行間隔で、新幹線は1時間~1時間30分間隔で運行されています。JR北海道は、JR東日本と同じ「えきねっと」というウェブサイトがあり、こちらを利用することで、札幌仙台間の割引切符を購入できます。割引切符は以下に上げます。
札幌新函館北斗間 | ||
特急券トクだ値1 | 8,010円~8,490円(指定席) | 1日前まで購入可能。10~15%割引 |
特急券トクだ値14 | 6,590円~7,540円(指定席) | 13日前まで購入可能。25~30%割引 |
新函館北斗仙台間 | ||
トクだ値1 | 16,260円(指定席) | 1日前まで購入可能。10~20%割引 |
トクだ値14 | 12,640円(指定席) | 13日前まで購入可能。30~40%割引 |
トクだ値21 | 9,040円(指定席) | 21日前まで購入可能。50%割引 |
学生割引 | 36,470円(グランクラス) 32,270円(グリーン席) 22,150円(指定席) | 乗車券が2割引き、学割証明が必要 |
特急と新幹線、それぞれ別々に切符を選択します。購入は、えきねっとから一括で可能です。この場合、特急トクだ値14とトクだ値21の組み合わせが最安値で、15,630円です。東北新幹線のトクだ値21の割引率が50%と高いため、これだけ安くなります。
ツアー(鉄道)
次にツアーを見ていきます。ここでは鉄道の個人ツアー(1人)、川内から札幌への旅行を例に取り上げます。
![]() ![]() | 仙台⇔東北・北海道新幹線⇔新函館北斗 ⇔特急北斗⇔札幌駅 | すべて込み 35,200円~ | 別々に予約した場合 特急:24,640円x2 ホテル:5,000円~ 合計:54,280円~ |
このツアーの場合は、最安値35,200円です。これらを別々に予約すると54,280円、差額にすると19,080円も安くなります。片道あたりの運賃で計算すると(往復の運賃/2-5000)、15,100円と、トクだ値よりも安い料金で移動できます。これだけ安くできるのは、移動需要が少ないことや、移動時間が長いのが理由でしょう。穴場でもあります。これは1人で1泊の料金なので、人数を増やすか宿泊数が増えれば、その分の料金は増えます。また、ホテルの料金は5,000円としていますが、これより高いホテルに宿泊すれば料金は増えます。料金もさることながら、ホテルと交通費を一括で予約できるので、別々に予約する手間を減らせます。
飛行機(格安航空券)
![]() | 札幌駅⇔快速エアポート ⇔新千歳空港⇔ANA・JAL ・IBEX・AIR・DO⇔仙台空港 ⇔空港アクセス鉄道⇔仙台駅 | 快速 :1,180円(自由席) 飛行機:13,660円~ 仙台鉄道:660円 合計:15,500円~ | 快速:約40分 飛行機:約1時間10分 仙台鉄道:約30分 合計:約3時間20分 |
LCC Peach(ピーチ) | LCC:6,590円~ 合計:8,430円~ | 〃 |
次に飛行機を見ていきます。飛行機の場合、新千歳仙台空港間で複数の航空便が運行されています。IBEX、AIR・DO、JAL、ANAが1日12便運行しており、朝から夜までどの時間帯でも利用できます。また、LCCも就航しており、ピーチが1日2便就航しています。格安航空券は13,660円が最安値で、鉄道の運賃も含めると15,500円です。LCCの場合は6,590円が最安値で、すべての合計は8,430円で、1万円以下で移動できます。移動時間は約3時間20分で、空港と主要駅との移動は、すべて鉄道ですので、高速バスのような遅れのリスクがありません。
札幌仙台のいずれも大都市なだけあって、運行本数が多いため、時間の融通も利きやすく、かつ新幹線よりも交通費が安くなり、移動時間も短くなります。よって、飛行機がメインの移動手段になると考えてよいでしょう。
太平洋フェリー
![]() | 札幌駅⇔北海道中央バス⇔苫小牧西港 ⇔太平洋フェリー⇔仙台港 ⇔宮城交通⇔仙台駅 | 北海道バス:1,580円 フェリー:9,500円~ 仙台バス:630円 合計:11,710円~ | 上り: 19:00発/10:00着 下り: 19:30発/11:00着 |
最後にフェリーを見ていきます。フェリーは仙台港と苫小牧港を結ぶ太平洋フェリーを利用します。フェリーターミナルと主要駅のアクセスは、いずれもバスを利用します。運賃は、雑魚寝部屋の最安値で9,500円、プライバシーが確保される寝台や個室になるともう少し高くなりますが、きたがみ船に乗車する場合は、この料金で寝台が利用できます。上り下りのいずれも夜に出発し、午前中に到着するため、船内で1泊しながら移動が可能です。運賃自体が比較的安いうえに、夜間に移動ができるため、宿泊費を節約できるメリットがあり、とてもコストパフォーマンスの高い移動手段です。
まとめ
以上をまとめると、最安値はLCCのピーチで、10,000円以下で移動できます。また、飛行機は移動時間も短く、3時間程度で移動できるため、メインの移動手段は、飛行機と断定してよいでしょう。フェリーは、宿泊費込みと考えると、こちらが最安値と言っても良く、移動時間に制約がなければ、十分選択肢になるでしょう。鉄道は、トクだ値やツアーを利用することで運賃を安くできるものの、移動時間の長さがネックであり、6時間以上の移動は大きな負担になるでしょう。
なお、北海道新幹線が開業すれば移動時間が大幅に短縮されるものの、飛行機よりも優勢になるかは微妙です。新幹線も3時間程度の移動時間になるでしょうし、LCCが就航していることも踏まえると、運賃の面ではかなわず、やはり、飛行機がメインの手段になると思われます。
移動手段比較早見表
移動手段 | 通常運賃 | 最安値運賃 | 移動時間 | 備考 |
鉄道 | 24,640円 | 15,630円 | 6時間27分 | 最安値はトクだ値14(特急) とトクだ値21(新幹線)の組み合わせ |
ツアー | 15,100円~ | 〃 | 片道あたりの運賃で計算 ツアー料金から5000円(ホテル代) を引いて2で割る | |
飛行機 (FCC・MCC) | 15,500円~ | 3時間20分 | ||
飛行機(LCC) | 8,430円~ | 〃 | ||
フェリー | 11,710円~ | 夜発朝着 | 船内で宿泊 |