仙台市は宮城県の県庁所在地であり東北地方唯一の政令指定都市です。石巻市も宮城県の都市であり、東に約50km離れた場所に位置しています。両都市間の移動は、距離が短いため短距離であり、通勤・通学の流動も多いのが特徴です。ここでは鉄道と高速バスの2つを比較してみていきます。
JR仙山線(鉄道)
![]() | 仙台駅⇔仙石線(仙台東北ライン)⇔石巻駅 | 860円 | 約49分~1時間25分 |
はじめに鉄道を見ていきます。この場合、在来線である仙石線を利用して移動します。運賃は860円で移動時間は、JR東北本線経由の仙台東北ラインで約50分、仙石線を全区間走行する普通列車の場合は、1時間25分です。いずれも乗り換えはありません。運行本数は、仙台東北ラインが1時間辺り1本、普通列車は1時間1本です。
両都市間の移動では、仙台東北ラインは、石巻塩釜間を停車駅の多い仙石線を快速で移動し、途中から東北本線に乗り入れて移動します。仙石線を運行する路線と比べて、大幅に移動時間が短縮できるため、両都市間のメインの移動手段でもあります。移動手段もさることながら、これまで乗り換えが必要であった、JR東北本線の東仙台駅などに、乗り換えなしで移動できる点や、発着駅はJR東北本線の仙台駅のホームになるため、地下にある仙石線のホームに比べて、乗り換えなどで若干移動が短縮されるメリットなどがあります。
なお、仙石線の終点はあおば通駅であり、あおば通まで向かう場合は、快速利用の場合、乗り換えが必要になります。
割引切符にはJR東日本が販売しているWきっぷ(2枚つづり)が利用できます。これは2枚であおば通石巻間1,560円で販売されており、片道780円で利用できるためとてもお得な切符です。設定区間はあおば通石巻間となっていますが、仙台駅発着でも利用できます。
高速バス
![]() | 東北大・県庁・仙台駅・六丁の目駅 ⇔宮城交通⇔イオンモール石巻・虻田 ・石巻・石巻専修大学 | 900円 | 1時間29 分 |
次に高速バスを見ていきます。宮城交通が三陸自動車道を経由して運行しています。運賃は900円ですが、通勤・通学で定期が利用可能です。移動時間は1時間29分と鉄道に比べても長く、一般道や高速道路の混雑によっては前後することがあります。運行本数は多く、1時間辺り1本運行されています。
高速バスの場合、運賃と移動時間の面で見ると不利であるものの、仙台駅と石巻駅以外にも仙台中心部と石巻の各所のバス停に停車します。鉄道では乗り換えが必要な区間でも、高速バスであれば、乗り換えなしで移動できるという点があります。特に鉄道駅から離れているエリア(石巻郊外)から、わざわざ駅まで移動せずとも仙台まで移動できるのは大きなメリットです。競合しているものの、ある程度、鉄道と住み分けがなされています。
なお、仙台東北ラインは特急列車ではないため、座席は普通列車の座席と同じであり、ロングシート・ボックス席がメインです。一方で高速バスは、都市間移動の大型バスであり、リクライニングシートです。仙石線は着席できないこともありますが、高速バスは着席できれば、快適性の面では上です。ちなみに、高速バスはSuica等の交通系ICカードが利用可能です。
まとめ
以上をまとめると、仙台と石巻の移動では鉄道が有利であるものの、鉄道駅に乗り換えが必要な場合、主要駅以外にも停車する高速バスの方が、乗り換えがなく快適に移動できる場合があります。また、鉄道は混雑時に着席できないなど、快適性の面ではデメリットがありますが、高速バスはほぼ確実着席でき、都市間移動ではバスの方が快適です。全く持って高速バスが劣勢ということはないようです。
移動手段 | 通常運賃 | 割引運賃 | 移動時間 | 備考 |
仙山線(鉄道) | 860円 | 780円 | 最速49分~ | 割引運賃 はWきっぷ |
高速バス | 900円 | ———– | 約1時間29分 |