このページでは、東京駅と博多駅(福岡)・小倉駅(北九州)の移動について、交通手段を比較していきます。両都市間は約1170km離れており、移動手段としては、JR東海道・山陽新幹線・高速バス・飛行機(LCCおよび格安航空券)・フェリーの4つがあります。ここでは、これら4つの移動手段を比較していきますが、大まかに比較すると以下になります。
交通費:高速バス<飛行機(LCC・格安航空)<フェリー<新幹線
移動時間:飛行機<新幹線<高速バス≦フェリー
JR東海道・山陽新幹線のぞみ号
![]() | 東京駅⇔JR東海道 ・山陽新幹線⇔博多駅 | グリーン車 31,070円 指定席 23,810円 自由席 22,220円 | のぞみ5時間 |
![]() | 東京駅⇔JR東海道 ・山陽新幹線⇔博多駅 | グリーン車 30,410円 指定席 23,150円 自由席 21,560円 | のぞみ4時間43分 |
はじめに鉄道を見ていきます。この場合、新幹線「のぞみ号」を利用します。通常料金は、自由席で博多が22,200円、小倉が21,560円です。指定席・グリーン席の料金は「のぞみ」の料金を表示していますが、「ひかり」「さくら」「こだま」になると若干安くなります。この区間は山陽・東海道の2区間をまたぐため、旅行商品である「ぷらっとこだま」や、「バリ特こだま」、「行こっかこだま」は使えません。実際は、新大阪を境に別々の切符を購入できますが、乗り遅れて切符が無効になるリスクと、移動時間が8時間以上になるので、お勧めできません。両都市間は長距離ながら、複数の割引切符が設定されています。下記に割引切符を表示します。
名古屋博多 | 名古屋小倉 | ||
e特急券 | グリーン車 30,420円 指定席 23,160円 自由席 21,720円 | グリーン車 29,760円 指定席 22,500円 自由席 21,060円 | 会員制 当日予約可能 |
Ex予約サービス | グリーン車 30,420円 指定席 23,160円 自由席 21,720円 | グリーン車 29,760円 指定席 22,500円 自由席 21,060円 | 有料会員 当日予約可能 (早特は3日前) |
スマートEX予約サービス | グリーン車 30,870円 指定席 23,610円 自由席 22,220円 | グリーン車 30,210円 指定席 22,950円 自由席 21,560円 | 無料会員 当日予約可能 |
Ex早特3 | グリーン車 23,420円 | グリーン車 24,320円 | |
Ex早特7 | 指定席 18,620円 | 指定席 18,620円 | |
Ex早特21 | 指定席 17,920円 | 指定席 17,920円 | |
金券ショップ | 自由席 21,770円 | 自由席 21,120円 | |
学生割引 | グリーン車 28,250円 指定席 20,990円 自由席 19,400円 | グリーン車 27,720円 指定席 20,460円 自由席 18,870円 | 学割証明必要 |
最安値はグリーン車がEx早特3、指定席はEx早特21、次がEx早特7です。Exサービス・スマートEX・e特急券でも自由席・指定席・グリーン席の運賃を安くできますが、上記の切符に比べると、割引率は高くありません。
移動時間は、のぞみ号で小倉が約4時間43分、博多が5時間です。これは、「のぞみ」で乗り換えなしで移動した場合です。「ひかり」は、東京博多間を通して運行される列車はないので、途中で別の列車に乗り換える必要があります。九州新幹線の「みずほ」「さくら」も利用できますが、新大阪で必ず乗り換えが必要になります。座席の確保については、特に東海道区間は混雑するので、座席を確保するのは難しいです。ただし、初めに座れなくても、新大阪などの主要駅で多くの乗客が降りるので、そこから空いた席に座れます。運行本数は博多行きの「のぞみ」は、1時間辺り2~5本です。
ツアーを利用して移動する。
東京博多
新幹線および飛行機を利用する場合、1泊以上ホテルで宿泊するのであれば、個人のツアーパックを申し込む方法もあります。これは1人以上から利用できるツアーを利用します。料金は往復の交通費+宿泊費を含んだ料金で、通常運賃よりも安い値段で提供されています。ツアーのメリットは、通常運賃より割引されるのと、ホテルと合わせて予約できる点です。わざわざ、別のサイトでホテルを予約する必要がなく、一括で予約ができるため時間が節約できます。具体例をあげてみていきます。
![]() | 東京駅⇔東海道・山陽新幹線 ⇔博多駅(往復・ホテル1泊) | すべて込み 41,900円~ | 別々に予約した場合 新幹線:22,220円x2 ホテル:5,000円~ 合計:49,440円~ |
ツアーは1人旅行のケースを想定しています。ホテルは最安値5,000円で泊まれるホテルと仮定します。この場合、ツアーの価格との差額は、7,540円です。片道あたりの運賃で計算すると18,450円となり、Ex早特7とほぼ同じくらいの料金になります。
東京小倉
![]() | 東京駅⇔東海道・山陽新幹線 ⇔小倉駅(往復・ホテル1泊) | すべて込み 44,150円~ | 別々に予約した場合 新幹線:21,560円x2 ホテル:5,000円~ 合計:48,120円~ |
小倉方面のツアーも比較します。ここでは、JR東海ツアーズの旅行商品で比較します。この場合、ツアーの価格との差額で、3,970円安くなる計算です。これを、片道当たりの運賃で計算すると、19,570円です。通常料金よりも1,990円安くなります。
高速バス(夜行バス)
![]() | 東京駅八重洲口・バスタ新宿 ⇔オリオンバス⇔小倉・Heartsstation博多 | 10,500円~ | 夜19~21時発 朝9~11時着 |
![]() | バスタ新宿⇔はかた号⇔JR小倉駅・砂津 ・黒崎IC・西鉄天神高速BT・博多BT | ビジネスシート: 9,000円~ プレミアムシート: 18,000円~ | 夜19~21時発 朝10~11時着 |
次に高速バスを見ていきます。東京福岡間は、長距離ながらも需要の多さゆえに、夜行バスが運行されています。さすがに、昼行の高速バスは運行されていません。オリオンバスと西鉄のはかた号の2便が運行されています。運賃は最安値で9,000円、価格は変動するので、10,000円が平均と考えてよいでしょう。
2つのバスの違いは、1つは停車するバス停で、前者は東京駅・新宿・小倉駅・博多駅の4つなのに対して、後者は新宿と北九州市内の小倉・砂津・黒崎、福岡の天神・博多です。西鉄のはかた号の方が、細かい需要に答えています。2つ目は、西鉄バスはプレミアムシート、個室型の座席を備えている点です。移動時間は14時間にも及ぶため、座席の快適性を考慮したものになっています。3列シートの座席に比べると、個室の料金は、2倍の18,000円であるものの、車内で1泊、宿泊費も含まれていると考えれば、他の移動手段に比べて高くはありません。
移動時間は、夜に出発し午前中に到着しますが、距離が長いゆえに、到着時刻は9時~11時と遅めです。日中に運行する区間も長いのが、これらバスの特徴です。
飛行機(羽田空港⇔福岡空港)
![]() | 東京駅⇔山手線・モノレール⇔ 羽田空港⇔飛行機⇔福岡空港 ⇔福岡市地下鉄⇔博多駅 | 東京鉄道690円 飛行機9,560円~ 福岡地下鉄260円 | 約30分 約1時間30分 約5分 |
博多発着 | 合計:10,510円~ | 合計:約3時間5分 | |
小倉発着 | 博多駅⇔山陽新幹線⇔小倉駅 | 新幹線2,160円 合計:12,670円~ | 20分 合計:3時間25分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
次に羽田発着の飛行機を見ていきます。羽田福岡間はスターフライヤー・JAL・ANA・スカイマークが運行されています。運行本数は非常に多く、朝6時~夜21時まで1時間辺り2本~4本、高頻度で運行されています。航空券はスターフライヤーとスカイマークが比較的安く、最安値で9,560円で購入できます。JALやANAになるともう少し高く、普通席は15,000円で購入できます。移動時間は博多が約3時間で、小倉は約3時間25分です。鉄道に比べて飛行機が優位です。特に東京側、福岡側いずれも、主要ターミナルと空港間の移動は鉄道であり、距離も離れていないため、移動時間が短くなるのです。
小倉が発着としても、新幹線で20分程度の距離ですので、鉄道1本の移動と比較しても、こちらの方が早く到着します。
飛行機LCC(成田空港⇔福岡空港)
![]() | 東京駅⇔エアポートバス⇔ 成田空港⇔飛行機(LCC) ⇔福岡空港⇔福岡市地下鉄⇔博多駅 | 東京バス1,500円 LCC 6,660円~ 福岡地下鉄260円 | 約1時間15分 約1時間50分 約5分 |
博多発着 | 合計:8,420円~ | 合計:約4時間10分 | |
小倉発着 | 博多駅⇔山陽新幹線⇔小倉駅 | 新幹線2,160円 合計:10,580円~ | 新幹線 20分 合計:約4時間30分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
次に成田空港を利用するルートを見ていきます。この場合、LCCのピーチ・ジェットスターを利用して移動します。LCCも運行本数は多く、1日11便が朝7時~20時まで運行されています。運賃は安く、最安値で6,660円で利用できます。鉄道やバスの運賃を含めても、博多の場合は10,000円を超えません。安さがメリットではあるものの、移動時間は長く、博多が約4時間10分、小倉が約4時間30分です。鉄道よりは短いものの、その差は、羽田ルートに比べると小さくなります。特に小倉の場合、新幹線が4時間43分ですから、10分程度しか変わりません。
なお、博多小倉間を在来線で移動するのであれば、特急料金がかからず、さらに節約できます。
LCCを利用する際の注意点
格安航空(LCC)はその安い価格が最大のメリットですが、ピーチやジェットスターなどのウェブサイトで直接予約する場合、基本的には予約便の変更・キャンセル・受託手荷物・座席指定ができません。これらは有料になるので、上記の価格に+手数料が必要になります。もしくは、これらサービスを利用したい場合、それらサービスを含めたオプションを選択する方法があります。若干値段が高くなりますが、上記のサービスが利用可能になります。
例えばジェットスター便の場合、Starter(機内持ち込み手荷物のみ)、フレックスBiz(変更・キャンセル・機内手荷物重量追加・座席指定あり)、ちゃっかりPlus(変更・キャンセル・受託手荷物加・座席指定あり・JALマイル追加・機内バウチャー・食事)と、全てのオプションを含めたしっかりMaxの4つがあります。Starterの場合、最安値運賃ですが、ちゃっかりPlusの場合は+千円程度、しっかりMaxの場合は+数千円程度加算されます。オプションを追加するほど、追加で料金がかかるということです。
もっとも、一番高いオプションを選択しても、他の移動手段に比べれば安いです。中間のバリューピーチを選択しても+千円程度ですから、その値段で各種サービスが受けられると考えると、通常航空券と比較しても圧倒的にコストパフォーマンスは高いでしょう。
飛行機(羽田空港⇔北九州空港)
![]() | 東京駅⇔山手線・モノレール⇔ 羽田空港⇔飛行機⇔北九州空港 ⇔空港バス⇔小倉駅 | 東京鉄道690円 飛行機13,250円~ 北九州バス760円 合計:14,700円~ | 約30分 約1時間40分 約40分 合計:3時間50分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
次に北九州空港発着の飛行機を見ていきます。北九州空港には、羽田行きの飛行機、スターフライヤとJALが1日あたり13本運行されています。こちらの場合、特筆すべきは夜22時にも航空便が運行されている点です。運賃は最安値で13,250円、北九州発着の場合、バス・鉄道も含めると14,700円です。移動時間は約3時間50分で、羽田福岡ルートと比べると、25分こちらの方が長くなります。一見するとメリットがなさそうに見えますが、メリットとしては羽田発の航空便で22時という遅い時間帯の便があることや、北九州市の南部、行橋や豊前発着の場合は、こちらの空港の方がアクセスしやすいという点が上げられます。
飛行機LCC(茨城空港⇔福岡空港)
![]() | 東京駅⇔常磐線⇔石岡駅 ⇔空港連絡バス⇔茨城空港 ⇔飛行機⇔福岡空港 ⇔福岡市地下鉄⇔博多駅 | バス,鉄道2,220円 飛行機9,410円~ 福岡地下鉄260円 | 約2時間15分 約1時間35分 約5分 |
博多発着 | 合計:11,890円~ | 合計:約4時間55分 | |
小倉発着 | 博多駅⇔山陽新幹線⇔小倉駅 | 新幹線2,160円 合計:14,050円~ | 新幹線 20分 合計:約5時間15分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
次に茨城空港発着の飛行機も見ていきます。茨城福岡間は、スカイマークが1日2便運行されています。航空券は安いもので9,410円からあり、鉄道、バスも含めた合計は、博多が11,890円、小倉が14,050円です。移動時間は長く、博多が約5時間、小倉が約5時間15分です。このルートの場合、東京と茨城空港間の移動が不便で、JR在来線と空港連絡バスを乗り換える形になるので、これだけ移動時間が長いのです。東京駅と空港を結ぶ高速バスもあるのですが、福岡便との接続が悪いため、全く使えません。
これを踏まえると、東京福岡間の移動としては、使えないと考えてよいでしょう。ただし首都圏でも、発着が常磐線沿線、もしくはつくば・取手・土浦といったエリアからであれば、茨城空港も選択肢の1つに入るでしょう。
オーシャン東九フェリー(新門司港⇔東京港)
最後にフェリーでの移動ルートを見ていきます。フェリーは、新門司港と東京港を結ぶオーシャン東九フェリーを利用します。このフェリーは途中で、徳島港に立ち寄ります。
![]() | 東京駅⇔JR関東バス⇔東京港 ⇔オーシャン東九フェリー⇔新門司港 ⇔送迎タクシー⇔門司駅 | 東京バス:400円 フェリー:21,230円~ 門司タクシー:400円 合計:22,030円~ | 上り 18~19時発 翌々日5時着 下り 18~19時発 翌々日5時~6時着 |
(小倉から) | 小倉駅⇔JR鹿児島本線⇔門司駅 | JR:240円 合計:22,270円~ | |
(博多から) | 博多駅⇔JR山陽新幹線⇔小倉駅 ⇔JR鹿児島本線⇔門司駅 | JR:2,380円 合計:24,410円~ |
フェリーは、上りは夕方に新門司港発、翌々日の早朝に東京に到着します。下りの場合も、同じ時間帯に出発・到着します。フェリーの場合、船内で1泊しながら移動ができるのがメリットで、さらに相部屋で横になって寝られ、入浴、食事ができます。夜行バスは個室があるとはいえ、座席に座りっぱなしで疲れるので、快適性の面ではこちらの方が上です。相部屋は、雑魚寝部屋ではなく、カプセルホテルのような設計で、プライバシーを確保して休めます。フェリーの料金は22,030円、ターミナルまでの移動も含めると、上記のようになります。決して安くはない料金ですが、これは、実質2泊の宿泊費を含む形です。宿泊費が節約できて、新幹線や飛行機よりも安いのですから、他の移動手段に比べても、圧倒的にコストパフォーマンスが高いと言えます。
ただし、このフェリーの場合、到着が翌々日になるので、出発してから次の日は、フェリーの船内で1日過ごさなければなりません。これは、時間の制約のある方にはデメリットで、次の日に到着していたいのであれば、他の手段にするべきです。
まとめ
以上をまとめると、交通費の安さでは成田発着のLCCです。高速バスも安いですが、夜間の移動に苦痛を感じない、宿泊費を節約したいのであれば良いでしょう。移動時間の面では、羽田発着の飛行機が短く、次いで成田発着のLCCです。新幹線の場合、割引切符は充実しているものの、移動時間が5時間にもおよび、運賃も高いため、選択肢としては微妙です。フェリーは、2泊したのち目的地に到着するので、時間のある人、船旅が好きな人向けでしょう。
移動手段比較早見表(東京福岡)
移動手段 | 通常料金 | 最安値料金 | 移動時間 | 備考 |
JR東海道・山陽新幹線 | 22,220円 | 17,920円 | 5時間 | 最安値は早特21を利用。 |
ツアー | 18,450円~ | ———– | 〃 | 宿泊費を引いて片道の料金で計算 |
夜行バス | 9,000円~ | ———– | 夜発 午前中到着 | 宿泊費を含む 個室あり |
飛行機(羽田) | 10,510円~ | ———– | 3時間5分 | |
飛行機 (成田LCC) | 8,420円~ | ———– | 4時間10分 | |
飛行機 (茨城空港) | 11,890円~ | ———– | 4時間55分 | |
東九フェリー | 24,410円~ | ———– | 夜発 翌々日朝着 | 2泊分の宿泊費を含む |
移動手段比較早見表(東京北九州)
移動手段 | 通常料金 | 最安値料金 | 移動時間 | 備考 |
JR東海道・山陽新幹線 | 21,560円 | 17,920円 | 4時間43分 | 最安値は早特21を利用。 |
ツアー | 19,570円~ | ———– | 〃 | 宿泊費を引いて 片道の料金で計算 |
夜行バス | 9,000円~ | ———– | 夜発 午前中到着 | 宿泊費を含む 個室あり |
飛行機(羽田) | 12,670円~ | ———– | 3時間25分 | |
飛行機 (成田LCC) | 10,580円~ | ———– | 4時間30分 | |
飛行機 (北九州空港) | 14,700円~ | ———– | 約3時間50分 | |
飛行機 (茨城空港) | 14,050円~ | ———– | 5時間15分 | |
東九フェリー | 24,270円~ | ———– | 夜発 翌々日朝着 | 2泊分の宿泊費を含む |