ここでは、九州の中心都市である福岡市と、大分県の大分市・別府市の都市間移動について比較していきます。両都市間は約200km離れており、移動手段は鉄道・高速バスの2つがあります。それぞれを比較してみていきます。
鉄道
![]() | 博多駅⇔特急ソニック⇔別府・大分駅 | グリーン :9,580円 指定席 :7,310円 自由席 :6,380円 移動時間:2時間14分~2時間24分 |
鉄道の場合、在来線の特急ソニックを利用して移動します。博多駅発着で、途中の主要駅に停車し、別府駅・大分駅に停車します。運賃は自由席で6,380円、大分と別府とともに同じ料金です。この料金は、下記の割引切符を利用することで、さらに安くできます。
割引切符一覧
九州ネットきっぷ | 指定席 3,500円 | ネット、当日購入可能 |
九州ネット早特3 | 指定席 2,950円 | 3日前まで購入可能 |
2枚きっぷ | 指定席 7,600円 (片道3,800円) | 2枚つづり |
eきっぷ | グリーン9,080円 指定席 6,380円 自由席 6,380円 | ネット予約を利用 |
学割 | グリーン8,740円 指定席 6,470円 自由席 5,540円 | 学割証明必要 |
種類は多くありませんが、いくつかの割引切符が利用できます。この中で最も安いのは、3日前までに購入できる早特3、次いでネットきっぷ、2枚きっぷの順番です。これら3つの切符は、通常運賃(6,380円)の40~50%も安くなるとても割引率が高い切符です。eきっぷは、ネットで予約できる切符で自由席は安くなりませんが、指定席、グリーン席の料金が安くなります。
移動時間は別府が約2時間15分、大分が約2時間25分です。ソニックは運行本数が多く、1時間あたり2本~3本運行されており、時間の融通が利きます。なお、宮崎行きの「にちりんシーガイア号」も2便運行されており、この列車でも大分まで移動できます。
鉄道のルートでは、博多小倉間を新幹線にするルートもあり、若干ではありますが移動時間を短縮できます。しかし、乗り換えの手間が増えることや、乗り換えの時間も含めると、あまり時間短縮にはなりません。さらに、上記の割引切符が全線を通して利用できなくなるなどデメリットもあるため、新幹線を利用するルートはお勧めできません。
また、久留米経由の特急ゆふいん号を利用するルートもあります。しかし、運行本数が1日1便のみと極端に少なく、運賃、移動時間とともに不利になるので、こちらも都市間移動ではお勧めできません。ゆふいん号が選択肢になるのは、湯布院が発着になる場合でしょう。
JR+ツアーを利用する。
大分もしくは福岡で1泊以上するのであれば、ホテルとセットになったツアーを利用する方法も選択肢の1つです。これは新幹線もしくは、飛行機の移動と宿泊がセットになったツアーパックで、別々に予約するよりも安い運賃で利用できます。具体例をあげてみていきます。
![]() | 博多駅⇔特急ソニック⇔別府・大分駅 (ホテル1泊あり) | 14,400円~ | 別々に予約した場合 新幹線;6,380円×2 ホテル;5,000円~ 合計:17,760円~ |
ツアーはソニックの往復料金とホテル料金が含まれます。ホテルの料金は、安いビジネスホテルの5,000円台と仮定します。すべてが込みで14,400円ですが、別々に予約すると、最低でも17,760円かかります。差額は3,360円で、ツアーの方が安くなります。これを、片道当たりの運賃で計算すると4,700円となり、通常運賃の6,380円よりも安いことがわかります。
ツアー商品を利用することで、上記のように鉄道の運賃を安くでき、またホテルと鉄道を1度に予約でき、複数予約する手前が省けます。
高速バス
![]() | 博多BT・西鉄天神BT・福岡空港(国際線)・高速基山 ⇔とよのくに号⇔APU・鉄輪口・別府北浜 | 別府:3,250円 | 2時間44分 |
![]() | 博多BT・西鉄天神BT・福岡空港(国際線) ・高速基山・高速日田 ⇔とよのくに号スーパーノンストップ ⇔中央通り・大分新川 | 大分:3,250円 | 2時間46分 |
次に高速バスを見ていきます。高速バスは大分、別府へ向かうバスが、日中にそれぞれ2本運行されています。いずれも、大分市・別府市内の各所に停車する他、福岡側では高速基山、博多、天神に停車します。ノンストップ号は、途中で日田に停車する他、いずれも、一部の便は福岡空港の国際線ターミナルに停車します。なお、国内線と国際線は無料のシャトルバスが出ているので、国内線を利用する人でも、このバスを利用できます。運賃は3,250円ですが、早割や回数券があり、最大2,300円~2,500円まで安くできます。移動時間はいずれも2時間45分程度ですが、渋滞などにより遅れる可能性があります。運行本数は、別府発着は1日10便、大分発着は1日20便もあり充実しています。特に大分便は便数が多く、時間の融通が利きやすいでしょう。
まとめ
以上をまとめると、交通費の安さでは高速バスが安くなりますが、鉄道の早割や回数券も、それらと同じくらい安くなるため、それを踏まえると、移動時間の短い鉄道の方が有利ともいえます。ただし、高速バスの割引切符を利用すれば最安値2,300円であり移動でき、これ以上安くなる切符は、他にありません。移動時間は、鉄道の方が30分速いものの、高速バスもそれほど時間がかかるわけではありません。ただし、渋滞などの遅れがあればその限りではありません。大きな違いをあげれば、鉄道は、特急が通過する沿線、宗像・小倉・行橋などから乗り換えなしで利用できる点でしょう。
鉄道と高速バスの競合が垣間見られる区間でもあり、どちらか一方が有利というわけでもないため、自分が利用しやすい手段を利用するのが良いでしょう。
移動時間比較早見表
運賃 | 最安値運賃 | 移動時間 | 備考 | |
鉄道 | 6,380円 | 2,980円 | 別府:2時間14分 大分:2時間24分 | 最安値は九州ネット早特3 |
ツアー | 4,700円~ | 上に〃 | 片道あたりの運賃で計算 (往復運賃/2)-5000 | |
高速バス | 3,250円 | 2,300円~2,500円 | 別府:2時間44分 大分:2時間46分 | 最安値は早割きっぷ |