名古屋三重の移動(JRと近鉄の競合)

近鉄21020系アーバンライナー 名古屋と都市間の移動
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ここでは、東海地方の中心都市である名古屋市と、三重県の各主要都市への移動手段を比較していきます。移動手段は、鉄道(JR・近鉄)があります。桑名・四日市・津・松阪・伊勢の5つの都市を、それぞれを比較してみていきます。

JR関西本線・紀勢本線(快速)

関西本線名古屋駅⇔関西本線(快速みえ)⇔桑名駅自由席:360円
指定席:690円
特急南紀:690円

移動時間:21分~34分
関西本線名古屋駅⇔関西本線(快速みえ)⇔四日市駅自由席:490円
指定席:820円

特急南紀:1,150円
移動時間:35分~46分
関西本線・伊勢鉄道名古屋駅⇔快速みえ⇔津駅自由席:1,290円
指定席:1,620円

特急南紀:2,270円
移動時間:1時間
紀勢本線名古屋駅⇔快速みえ⇔松阪駅由席:1,690円
指定席:2,020円

特急南紀:3,210円
移動時間:1時間16分
紀勢本線名古屋駅⇔快速みえ⇔伊勢市駅自由席:2,040円
指定席;2,370円

移動時間:1時間40分
*特急の料金は自由席の料金を表示。

三重の場合、個々の都市間に焦点を当てていきます。

桑名

名古屋と桑名は20km程度しか離れていないため、普通列車や快速列車の移動で十分です。JRは快速みえが1時間あたり1本~2本運行されており、約20分程度で移動できます。普通列車は1時間あたり2本運行されており、移動時間は34分です。この区間は、特急南紀(特急料金も含めて690円)も利用できますが、短距離なので、通勤通学であれば、わざわざ特急料金を払って移動するメリットはありません。運賃は360円です。

四日市

名古屋と四日市は約37km離れており、名古屋の通勤・通学圏としては西端に位置します。快速みえが運行されており、35分程度で移動できます。普通列車は停車駅の数が多いため46分程度かかります。特急南紀であればもう少し早く、30分程度まで短縮されますが、この区間も、わざわざ特急を利用するほどの区間ではありません。特急の料金はすべて込みで1,150円もかかります。乗車券の料金は490円です。運行本数は桑名名古屋と変わりません。

ただしJRの四日市駅は、四日市の繁華街である近鉄四日市駅から離れています。四日市駅周辺は何もなく、湯の山線とあすなろう鉄道も近鉄四日市駅からの乗り換えです。拠点として利用するにも便で、それを踏まえると、JRよりも近鉄の方が便利です。

JRで移動する場合、名古屋津間は快速みえを利用します。名古屋津間を通して運行されてる普通列車はありません。運賃は1,290円で、移動時間は1時間です。運行本数は1時間に1本のみです。四日市以南は、以北に比べて運行本数は少なくなります。なお、特急南紀を利用するルートもあり、その場合はすべて込みで2,270円です。

松阪

名古屋松阪間は約87km離れていますが、JRの快速みえを利用して乗り換えなしで移動できます。運賃は1,290円で、特急南紀を利用した場合は3,210円です。移動時間は1時間16分、運行本数は1時間に1本のみです。南紀は1日4本、午前中に2本、午後に2本運行されています。

伊勢

名古屋伊勢間は約106kmあり、普通列車での移動は少し大変な距離です。松阪同様に、快速みえが伊勢まで運行されています。運賃は2,040円、移動時間は1時間40分です。運行本数は1時間に1本あり、快速みえは、伊勢を超えて鳥羽まで運行されています。なおJRで伊勢方面へ向かう特急はないため、特急南紀を利用する場合は、松阪で乗り換える必要があります。

割引切符一覧

割引切符サービス松阪伊勢
快速みえ回数券(4枚)*3,160円
(790円)
4,200円
(1,050円)
5,040円
(1,260円)
金券ショップ880円1,170円1,400円
学割1,630円
*自由席のみ利用可能。

名古屋伊勢間は片道100kmを超えるため、学割が利用できます。主な切符としては快速みえ回数券があり、通常運賃よりも安い料金で利用できます。金券ショップでは、この切符がばらで売られており、少し高くなるものの、それでも通常運賃よりも安い料金で利用できます。

快速みえ

快速みえは名古屋鳥羽を結ぶJRの快速列車です。快速列車ではあるものの、全車両クロスシートであり、特急列車と変わらない快適性を保ちながら移動できます。自由席がメインですが、一部座席は指定席もあり、+330円~530円で利用できます。特急と比較しても安く、快適に利用できるのですが、利用者も多いため混雑します。平日は名古屋桑名間が常に混雑、休日は全線を通して混雑します。混雑区間では着席が難しく、指定席も満席で取れないことがあります。

JR近鉄特急・急行

近鉄特急ひのとり・アーバンライナー・急行近鉄名古屋駅⇔近鉄急行・特急⇔桑名駅自由席:530円
指定席:1,050円

移動時間:17分~37
近鉄特急ひのとり・アーバンライナー・急行近鉄名古屋駅⇔近鉄急行・特急⇔近鉄四日市駅自由席:760円
指定席:1,280円

移動時間:27分~46分
近鉄特急ひのとり・アーバンライナー・急行近鉄名古屋駅⇔近鉄急行・特急⇔津駅自由席:1,210円
指定席:2,130円

移動時間:50分~1時間
16
近鉄特急ひのとり・アーバンライナー・急行近鉄名古屋駅⇔近鉄急行・特急⇔松阪駅由席:1,530円
指定席:2,870円

移動時間:1時間9分~1時間31分
近鉄特急ひのとり・アーバンライナー・急行近鉄名古屋駅⇔近鉄急行・特急⇔伊勢市駅自由席:1,740円
指定席;3,080円

移動時間:1時間23分1時間43分

こちらも、個々の都市間に焦点を当てていきます。

桑名

名古屋と桑名は20km程度しか離れていないため、JR同様、急行列車の移動で十分です。普通列車は各駅なので移動時間が長くお勧めできません。近鉄は急行列車が1時間あたり4本~5本運行されており、普通列車は1時間に1本のみ、また特急(ビスタカー・アーバンライナー・ひのとりなど)も高頻度で運行しており、1時間辺り3~4本あります。JRよりも本数が多いです。移動時間は最短の特急で17分、特急は20分、普通列車では約35分です。運賃は530円で、特急を利用すると1,050円です。JRよりも料金は高くなります。

四日市

名古屋と四日市は約37km離れており、名古屋の通勤・通学圏としては西端に位置します。運行本数は桑名と同様の本数で、JRよりも本数が多いのが特徴です。移動時間は最短で27分、急行で35分程度、普通列車では46分です。なお、急行の本数が多いため、名古屋四日市間は急行での移動がメインです。運賃は760円、特急は1,280円です。同様にJRよりも高くなります。

運行本数は桑名・四日市と同様で本数が多いのが特徴です。移動時間は特急で50分、急行で1時間、普通列車で1時間14分です。名古屋津間は約67kmの距離があり、この距離になると特急は高いものの、選択肢に入ります。運賃は1,210円、特急は2,130円です。

松阪

名古屋松阪間は約87km離れていますが、近鉄の急行・特急(ビスタカー・アーバンライナーなど)で乗り換えなしで移動できます。運賃は1,530円でJRよりも若干安くなります。特急を利用した場合は2,870円です。移動時間は特急で1時間9分、急行で1時間31分です。運行本数は急行が1時間に3本、特急は2本のみです。手前の伊勢中川駅で大阪線と分岐するため、津駅と比較して本数は減ります。

普通列車は名古屋と乗り換えなしで結ぶ列車はなく、伊勢中川で乗り換えです。移動時間が長いので現実的な選択肢ではありません。

伊勢

名古屋伊勢間は約106kmあり、特急(アーバンライナー・ビスタカー・近鉄特急)が優勢になる区間です。特急は乗り換えなしで1時間23分で結ぶのに対して、急行は1時間43分です。松阪同様、普通列車で通して移動できません。運行本数は急行が1時間あたり3本、特急が1時間あたり2本です。運賃は1,740円で、特急を利用すると3,080円かかります。

割引切符一覧

割引切符サービス桑名伊勢
桑名近鉄名古屋特割きっぷ
(往復)
900円
(450円)
桑名近鉄名古屋
デジタル回数きっぷ
2,000円
(400円)
学割自由席 1,390円
指定席 2,730円

割引切符は近距離である近鉄名古屋と桑名間に回数券と往復切符が設定されています。前者が片道あたり400円、後者は450円です。それ以外の割引切符は設けられておらず、名古屋伊勢間のみ、101kmを超えるため、学割を利用できます。

近鉄の急行

近鉄の急行は、JRの快速みえにあたる列車といえ、一部の車両でクロスシート座席を備えた列車です。近距離から長距離すべてに対応した列車と言え、いずれにおいてもクロスシートの座席に着席できれば、特急料金不要で快適な移動ができます。ただし利用者も多く、JR同様に混雑します。特に名古屋寄りは利用者が多いため、着席できないことが多くあります。確実に着席して移動したいのであれば、多少高くても特急を利用した方が良いでしょう。

JRとの比較

近鉄とJRの比較では、JRは運賃が安い一方で、関西本線が単線であるため、運行本数が少ない特徴があります。一方で近鉄は運賃が高くなるものの、長距離になるほどJRよりも運賃が安くなります。特急の料金で比較すると、JRの方が安いものの、これも津や松阪の長距離になると近鉄の方が安くなります。伊勢方面には、近鉄のみ特急が運行されており、比較対象はありません。料金の比較では、名古屋から近距離であればJR、長距離であれば近鉄の方が優勢でしょう。

一方で本数を比較すると、JRが単線区間が多いのに対して、近鉄名古屋線は全線複線なので、近鉄の方が本数は多く充実しています。快速みえが1時間に1本なのに対して、近鉄急行は名古屋近郊で1時間あたり4本、それ以外では2本運行されています。時間の融通が利くのは、圧倒的に近鉄になるでしょう。

移動時間の面では、どちらも大きな差はありませんが、特急列車では、近鉄の方が若干移動時間が短くなります。

割引切符の点では、JRは伊勢・松阪・津方面の長距離移動の切符が充実している反面、近鉄は名古屋桑名間の近距離の割引切符が充実しています。

まとめ

個々の都市を個別に見ていきます。

桑名

運賃ではJRのほうが優勢ですが、本数では近鉄の方が多い点、回数券で400円まで安くできることを考えると、近鉄の方が利用しやすいメリットがあります。

四日市

四日市の中心市街地は、JRの駅よりも近鉄駅の周辺の方が栄えています。これを踏まえると、特段の理由がなければ、本数の多い近鉄の方が良いでしょう。また、湯の山線、あすなろう鉄道に乗り換える場合も、近鉄四日市駅で乗り換えるため、こちらの方が良いでしょう。

津・松阪

通常運賃ではJRよりも近鉄の方が安くなります。しかし、快速みえの回数券の安さは魅力的であり、料金面ではJRが有利です。一方で、急行・特急の本数の多さでは近鉄の方が便利でしょう。移動時間では、近鉄の特急が名古屋津間を最速50分、名古屋松阪間を1時間16分で移動できます。

伊勢

運賃の安さでは同様にJRが有利、本数の多さでは近鉄が有利です。近鉄は伊勢中川・松阪を境に本数が減るものの、それでも、JRよりも本数が多いことには変わりません。移動時間では、近鉄特急が最速で1時間23分です。JRは特急がないため、快速みえを利用することになります。

移動時間比較早見表

JR近鉄備考
桑名運賃:360円
特急:690円
21~34分
530円
1,050円
17~37分
近鉄は割引切符あり400~450円
四日市運賃:490円
特急:1,150円
35~46分
760円
1,280円
27~46分
近鉄四日市駅が四日市の中心
運賃:1,290円
特急:2,270円
1時間~
1,210円
2,130円
50分~1時間16分
快速みえ回数券790~880円
松阪運賃:1,690円
特急:2,020円
1時間16分
1,530円
2,870円
1時間9分~1時間31分
快速みえ回数券1,050~1,170円
伊勢運賃:2,040円
特急:なし
1時間40分
1,740円
3,080円
1時間23分~1時間43分
快速みえ回数券1,260~1,400円