名古屋奈良間は約115km離れています。名古屋駅、奈良駅を起終点とする場合、主な移動手段はJR新幹線と在来線を利用するルート、高速バスを利用するルート、近鉄特急を利用するルートがあります。これ以外のものとしてJR関西本線を利用するルート、JR在来線のみのルート、近鉄普通列車のみのルートもありますが、これらは遠回りであることと、移動時間がかかりすぎるのでお勧めできません。ここでは前者をメインの移動ルートとして比較していきます。
JR東海道新幹線・奈良線(京都経由)
名古屋駅⇔JR東海道新幹線 ⇔京都駅⇔R奈良線(快速) ⇔奈良駅 | グリーン車のぞみ8,750円 グリーン車ひかり8,540円 指定制のぞみ 6,480円 指定席ひかり 6,270円 自由席 5,940円 | のぞみ1時間49分 ひかり2時間3分 こだま2時間13分 |
まずJRを利用した場合を見ていきます。この場合、名古屋京都間は新幹線、京都奈良間はJR奈良線の快速を利用します。この場合、料金は最安値で5,940円(自由席)になります。JRの場合、起点から終点まで同じ鉄道会社を利用することになるので、乗り換え時に新たに切符を購入する必要がありません。乗車券に関しては、名古屋奈良間通して購入できます。
新幹線の区間については各種割引切符が利用できます。割引切符を利用した場合の料金は以下のようになります。
e特急券 | グリーン車 7,940円 指定席 5,680円 自由席 5,680円 | 会員制 当日予約可能 |
EX予約サービス | グリーン車 7,890円 こだまグリーン早特3 6,040円 指定席 5,630円 自由席 5,630円 こだまファミリー早特3 4,900円 | 有料会員 当日予約可能 (早特は3日前 |
スマートEX予約サービス | グリーン車 8,500円 指定席 6,230円 自由席 5,890円 | 無料会員 当日予約可能 |
金券購入 | 自由席 5,580円 | 名古屋京都間4,900円 京都奈良間680円 それぞれ別の金券を購入。 |
学割 | グリーン車のぞみ 8,060円 グリーン車ひかり 7,850円 指定席のぞみ 5,790円 指定席ひかり 5,580円 自由席 5,250円 | |
ぷらっとこだま (名古屋京都間のみ) | グリーン車 6,920円 自由席 5,320円 | 名古屋京都間のみ グリーン車6,200円 自由席は4,600円。 |
料金の幅は、4,900円~8,500円になります。最も安いのはこだまファミリー早特(3日前までに事前購入)の4,900円になります。次が学割の自由席5,250円、その次がぷらっとこだま自由席の5,320円になります。
移動時間は最速ののぞみが約1時間50分、ひかり・こだまは2時間~2時間15分になります。この移動時間は京都奈良間を約45分で移動する区間快速・快速の利用を前提としています。ちなみに、この区間を普通列車で移動する場合、1時間10分程度かかります。運行本数は新幹線に関しては非常に多く1時間辺り8本~9本利用できます。JR奈良線に関しては、快速が1時間辺り1本運行されています。
JR東海道新幹線・近鉄奈良線利用(京都経由)
名古屋駅⇔東海道新幹線 ⇔京都駅 | グリーン車のぞみ 7,980円 グリーン車ひかり 7,770円 指定席のぞみ 5,710円 指定席ひかり 5,500円 自由席 5,170円 | のぞみ約35分 ひかり約40分~ こだま約57分 | |
京都駅⇔ビスタカー ⇔近鉄奈良駅 | 1,280円 (特急券520円含む) | 約35分 | |
合計 | グリーン車のぞみ 9,260円 グリーン車ひかり 9,050円 指定席のぞみ 8,490円 指定席ひかり 6,780円 自由席 6,450円 | のぞみ 1時間26分 ひかり 1時間31分 こだま 1時間48分 |
*京都駅の接続では乗り換えを+10分として計算。
次に京都と奈良の区間を近鉄京都線のビスタカー(特急)を利用する場合を見ていきます。この場合、最安値料金は6,450円になります。JRのみを利用する場合に比べて510円高くなります。奈良方面へ向かう場合、京都駅大和西大寺間を特急、大和西大寺奈良間を普通列車で移動するルート(料金は同じ)と、急行奈良行き(乗車券760円)を利用するルートなど、複数のルートが存在します。急行のみを利用する場合、特急券520円は不要ですので、最安値で5,930円で移動することができます。
なお、こちらは別の鉄道会社を利用することになるので、割引切符を利用する場合、新幹線の割引切符+近鉄の割引切符それぞれ別々に利用する形になります。まず新幹線の割引切符は、以下のようになります。
名古屋京都の新幹線の割引切符
特急券 | グリーン車 7,170円 指定・自由席 4,910円 | 会員制 当日予約可能 |
EX予約サービス | グリーン車 7,170円 こだま指定早特3グリーン 5,320円 指定・自由席 4,910円 こだま指定ファミリー早特3 4,180円 | 有料会員 当日予約可能 (早特は3日前) |
スマートEX予約サービス | グリーン車 7,780円 指定席のぞみ5,710円 指定席ひかり5,510円 自由席 5,170円 | 無料会員 当日予約可能 |
金券購入 | 約4,900円 | |
学割 | グリーン車のぞみ 7,450円 グリーン車ひかり 7,240円 指定席のぞみ 5,180円 指定席ひかり 4,970円 自由席 4,640円 | 学割証明必要 |
ぷらっとこだま | グリーン車 6,200円 自由席 4,600円 | 1日前まで購入可能 ドリンク引換券あり。 |
京都奈良の近鉄の割引切符
近鉄で奈良へ移動する場合、様々な割引切符がありますが、この中で京都奈良間をお得に利用できるのがネットで予約できる往復デジタル切符です。料金は、往復1,400円(片道700円)の切符になります。この切符は近鉄京都駅発のみ利用できるので、逆の区間からの利用はできません。つまり、京都なら奈良に移動して、奈良から京都に戻る場合のみ利用可能ということですね。また、特急券は別途購入する必要があります。
これらと新幹線の割引を組み合わせた場合、料金の幅は4,180円~7,780円になりますから、往復切符の片道分の料金を加えると、片道料金は4,880円~8,480円になります。JR線のみの場合の割引料金は、料金の幅が4,900円~8,500円になるので、どちらもそれほど大きな差はありません。
近鉄を利用する場合、注目すべきは移動時間です。こちらは近鉄の特急を利用する場合、1時間26分~1時間48分になります。京都奈良間は急行の場合は50分かかるので、急行を利用する場合、+15分として1時間41分~2時間3分となります。移動時間の面では近鉄特急の利用が優位になります。急行を利用する場合は、料金は安くなりますが、JR線のみの利用と大きな差はなくなります。運行本数についてですが、近鉄の方が急行・特急ともにJRよりも多く運行されています。1時間辺り少なくとも5本は運行されているので、時間の融通はこちらの方が利きやすいです。
なお、近鉄ルートの比較では、近鉄奈良駅を起終点としていますが、奈良駅と近鉄奈良駅は少し離れており、徒歩では10分ほどかかります。奈良のどのエリアを出発・目的地にするのかによりますが、奈良駅より西側ではあればJR、奈良公園であれば近鉄奈良駅の方が近いです。奈良市中心部であればどちらも大きな違いはないでしょう。
ツアーを利用して移動する。
新幹線・特急・高速バスを利用する場合、1泊以上ホテルで宿泊するのであれば、個人のツアーパックを申し込む方法もあります。これは1人以上から利用できるツアーを利用します。料金は往復の交通費+宿泊費を含んだ料金で、通常価格よりも安い値段で提供されています。ツアーのメリットは、通常価格より料金が割引されるのと、交通手段とホテルと合わせて予約できる点です。わざわざ、別のサイトでホテルを予約する必要がなく、一括で予約ができるため時間の節約になります。奈良方面の場合、京都とセットになったツアーが多いので、多種多様なツアーが販売されています。ここでは奈良での宿泊がセットになったツアーの具体例をあげていきます。
名古屋駅⇔東海道新幹線 京都駅⇔JR奈良線⇔奈良駅 (往復・ホテル1泊) | すべて込み 16,300円~ | 別々に予約した場合 5,940円x2 5,000円~ 合計:16,880円~ |
すべて込みのツアーの最安値は16,300円からになります。別々で予約した場合は16,880円で差額は580円とツアーの方が多少安くなる程度ですが、ホテルと往復の切符が一括で予約でき手間が省けると考えれば、ツアーの方がメリットがあるでしょう。
高速バス(名鉄バスセンター⇔奈良)
名鉄バスセンター⇔奈良交通・名鉄バス ⇔天理・近鉄奈良駅・奈良駅 | 2,700円 | 2時間35分 |
次に日中に運行される高速バスについて見ていきます。高速バスは名鉄バスセンターと奈良駅・近鉄奈良駅を結ぶ高速バスが運行されています。料金は片道2,700円、往復割引切符は4,300円(片道2,150円)で利用できます。このバスは鉄道を利用する場合に比べて圧倒的に安いのが特徴で、新幹線の通常価格の50%以上安い価格で利用できます。
移動時間は2時間35分かかります。最速の新幹線+近鉄特急と比較すると長いですが、バスの利点は乗り換えがない点です。また、近鉄奈良駅・JR奈良駅両方に停車するうえ、天理・都祁・山添のバス停にも停車します。運行本数は1日4便が運行されていますが、難点としては、現在は特定日(休日・行楽シーズン)のみの運行となっており、平日は運行されていない点です。平日の場合は、鉄道を利用するしか方法はありません。
渋滞による遅れの懸念ですが、このバスは東名阪・名阪と奈良近郊の一般道と、全体的に交通量の多い道路を走行します。特に休日は東名阪で渋滞が発生することがあるので遅れることがあります。ただし、停車駅が少ないので、遅れがなければ定刻かそれよりも早くに到着することもあります。
近鉄特急ひのとり・急行(大和八木経由)
近鉄名古屋駅⇔特急ひのとり⇔ 大和八木⇔近鉄急行⇔大和西大寺 ⇔近鉄奈良線⇔近鉄奈良駅 | 4,550円 | 約2時間16分 |
最後に近鉄のみで移動するルートを見ていきます。このルートは、近鉄名古屋線・大阪線の特急ひのとりを利用するルートで、途中大和八木で橿原線の急行に乗り換えて、大和西大寺でさらに奈良線に乗り換え奈良に至るルートです。料金は特急料金も含めて4,550円になります。新幹線と高速バスの中間に位置する値段です。近鉄の割引切符としては、金券ショップで売られている株主優待券を利用する方法があります。こちらはおおよそ2,200円程度で売られています。上記区間の乗車券は2,710円ですから、株主優待券を利用することで510円割引になり、合計4,040円になります。
移動時間は約2時間16分となり、高速バスよりも少し早い移動時間になります。このルートのデメリットとしては、乗り換え回数が多い点で、3回乗り換える必要があります。この乗り換えに失敗するとこれ以上の時間がかかってしまうのが難点です。近鉄ルートの場合、奈良市方面よりも、桜井・橿原・田原本町といった、奈良市よりも南側のエリアへ移動する場合の方が便利でしょう。
まとめ
以上をまとめると、交通費が最も安いのは名鉄、奈良交通の運行する高速バスになります。移動時間が最も速いのは、新幹線と近鉄特急の組み合わせで、次いで新幹線とJR奈良線の利用になります。乗り換え回数においては、高速バスが0回、新幹線と近鉄特急及び新幹線とJR奈良線が1回となります。近鉄のみのルートで移動する場合、乗り換え回数が増えることや移動時間がさほど短縮にならない点、また料金も安くないので、橿原市などの奈良市より南側が出発地・目的地でなければ、良い選択肢とは言えないでしょう。
移動手段比較早見表
移動手段 | 通常運賃 | 最安値運賃 | 移動時間 | 備考 |
新幹線+奈良線 | 5,940円 | 4,900円 | 1時間49分 | 最安値は こだまファミリー早特割引。 |
新幹線+近鉄特急 | 6,450円 | 5,580円 | 1時間26分 | 最安値は こだまファミリー早特割と 近鉄往復割引+特急券を 組み合わせた値段。 |
新幹線+近鉄急行 | 5,930円 | 4,880円 | 1時間41分 | 最安値は こだまファミリー早特割と 近鉄往復割引を 組み合わせた値段。 |
高速バス | 2,700円 | 2,150円 | 2時間35分 | 最安値は往復割引の片道分。 特定日のみの運行。 |
近鉄 (ひのとり) | 4,550円 | 4,040円 | 2時間16分 | 最安値は株主優待券+特急券。 |